DocuSignがAI事業強化のためにSeal Softwareを約200億円で買収 

契約管理サービスのDocuSignは米国時間2月28日、Seal Softwareを1億8800万ドル(約200億円)の現金で買収すると発表した。買収手続きは年内に完了する見込みだ。ちなみにDocuSignは、2019年にSeal Softwareに1500万ドル(約16億円)を投資している。

2010年に設立されたSeal Softwareはメインストリームのブランドではないかもしれないが、顧客にはPayPal、Dell、Nokia、DocuSignなどが名を連ねる。これらの企業は、Sealを契約管理ツールとしてだけでなく分析、発見、データ抽出にも使用している。これらのAI(人工知能)技術は、企業が契約を分析するのを助けるために、Seal Softwareが時間をかけて開発したもので、例えば法的な検証のための時間を大幅に減らすのに役立つ。

「Sealは契約におけるデータの検索、分析、抽出をより簡単かつ迅速に行うために構築された」と、Seal SoftwareのCEOことJohn O’Melia(ジョン・オメリア)氏は2月28日の発表で語った。「我々にはDocuSignとシナジーがあり、Seal SoftwareはAIの専門知識を活用して、Agreement Cloudをさらにスマートにできることに興奮している。またDocuSignの規模と視野の広さを考えれば、DocuSignに参加することで、顧客やパートナーに大きなチャンスをもたらすことになる」

DocuSignは、Sealの分析ツールを継続して販売すると述べている。しかし、DocuSignにとってさらに重要なのは、同社のAIツールを活用して、DocuSign CLMのサービスを強化することだ。CLMはDocuSignの完全な契約ライフサイクルを自動化するサービスで、ワークフローを作成するためのグラフィカルインターフェースと、変更をレビューし追跡するためのコラボレーションツールなどを備えている。またDocuSignによると、Sealのツールと統合することで、顧客に「より迅速で効率的な合意プロセス」を提供することができ、一方Sealの顧客はDocuSign Agreement Cloudとのより深い統合からメリットを享受することになるという。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

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TechCrunch Japan

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