Dropbox for Teamsに新しい機能が追加された。これによってユーザーである企業IT部門は、個人であれ組織であれ、Dropboxサービスの利用状況を細大漏らさずモニタし、コントロールできるようになる。
こうしたアップデートは、Dropboxが今後の主要なビジネス・ターゲット企業IT向けに定め、会社成長の新しい段階に入りつつあることを示すものだ。
Dropbox For Teamsは2011年後半にリリースされた。昨年8月には2段階認証機能を導入、続いて10月にはこの認証機能を用いて誰がどのようにサービスを利用しているかをIT部門がモニタできるようにするなど可視性を高めた。今日(米国時間2/12)追加された各種のモニタ機能と合わせて、個々のユーザーの行動、アクセス元のデバイス、ユーザー別のストレージ使用容量、リンクされたデバイスやインストールされたアプリケーションのリストなどをIT部門がモニタすることができるようになった。
IT部門の管理者が個人、グループのアクセス、認証、共有などの設定と管理を簡単に実行できる新しいUIもリリースされた。管理者はユーザーのログイン、グループへの招待、共有などの活動履歴をすべて見ることができる。またそれらの記録をレポートに一括ダウンロードすることも可能になった。
ユーザー個人のモニタ・ビューでは管理者はユーザーがアクセスにどんなデバイスを利用しているかモニタできると同時に、必要があればデバイスを削除することもできる。
2段階認証によってDropboxのセキュリティーはきわめて強固なものとなっている。管理者はパスワードをリセットすることもできるし、特定のグループのデータに「持ち出し禁止」を指定してグループのメンバー以外との共有を禁止することもできる。.
単なる「魔法のクラウド・フォルダ」以上の存在へ
Dropboxはなんでもクラウド上に保存できる、いわば「魔法のフォルダ」というコンセプトの下に出発した。次の章はバックエンドの強化だ。そのカギになるのは先日公開された同期APIのさらなる拡充だろう。同期APIを利用するとモバイル・アプリのデベロッパーはDropboxに保存されたファイルをデバイス内に存在するファイルと同様に簡単に呼び出し、同期し、オフラインで編集し、バージョンを管理することができる。これによってますます多くのアプリがDropboxと連携するようになるだろう。今回のIT向け機能強化と相まってDropboxのエンタープライズ市場への参入の道筋が大きく開けたといえそうだ。
Dropboxはライバルとの競争に勝つカギをエンドユーザー向けアプリのデフォールトのクラウド・ストレージとなることに置いている。一方、現在Box、SugarSync、Mozyを始め多数のクラウド・ファイル共有サービスが存在するようになった。Boxは共同作業環境の強化に力を入れ、Jiveと提携している。またVMwareはVMwareHorizonコラボレーション環境の一環としてDropbox的なファイル共有サービス、Project Octopusを立ち上げている。
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)