DuckDuckGoは検索で意外な新パートナーを得た。Appleだ。
ユーザーを決して追跡しないと約束しているプライバシー重視の検索エンジンは火曜日、地図ベースの検索結果表示でAppleマップによるデータの使用を開始した。DuckDuckGoはオープンソースサービスOpenStreetMapからのデータ使用でしばらく限定された地図検索結果を提供してきたが、決してライバルの検索エンジン、とりわけGoogleとBingへは機能を拡大しなかった。
そしていま、DuckDuckGoは住所、店、地理的位置、周辺の場所を示すのにAppleマップをデフォルトで使う(我々が試したとき、道順や乗り換えはMac、iPhone、iPadではAppleマップで案内されたが、非Appleデバイスでは道順案内はBingだった)。
Appleのマップデータ使用は、長らくMac、 iPhone、iPadに限定されていたが、Appleがマップをウェブに開放すると6カ月前に発表した。それ以降、DuckDuckGoがAppleマップ最大のユーザーの一つとなる。
「信頼できるオンラインという新たなスタンダード構築のためにAppleと緊密な連携を図れることを嬉しく思う。みなさんにこのアップデートを楽しんでもらえればと願っている」とDuckDuckGoはブログに投稿した。
実際のところ、このパートナーシップは予想できなかった。
AppleはiOSからGoogleマップをのぞき、そして徹底的に見直したマップサービスを展開することを急いだときに非難に直面し、即座にCEOのTim Cookがひどい内容の展開となったことを謝罪する事態となった。6月に開催した最新のWWDCでは、Appleは信頼と安定性ーそして何より重要なプライバシーを提供できるよう作り直しを約束した。
Googleはユーザーのすること、行き先、検索したものを追跡しているが、Appleは長いこと「知りたくない」としていた。Appleのインターネットソフトウェア・サービス責任者のEddy Cueは昨年TechCrunchとのインタビューで、Appleが集めるデータは全て匿名だ、と話した。「我々は特にデータを集めてはいない。たとえ、ポイントAからポイントBまでのものであってもだ」。データを匿名化することで、Appleはあなたがどこから来たのか、どこに行ったのか、さらには誰がそうした移動を行ったのかも把握していない。
DuckDuckGoは、追跡を行わない対Googleライバルとして、プライバシーを重視するという根幹に背くことなく最終的にかなり必要とされている機能を検索エンジンに持ってきた。
「DuckDuckGoではあなたがオンライン上で重視するプライバシーを提供できると我々は確信している」と同社は述べている。「当然のことながら、個人情報のいかなる収集も共有も行わないという厳しいプライバシーポリシーは今回の統合にも適用される」。
「DuckDuckGoで地図を利用したり、住所関連の検索をするとき、あなたは完全に匿名だ」と話す。
DuckDuckGoのサイトに別途明記されているが、ユーザーは“周辺”の検索でより良い結果を得るために位置情報をオンにすることができるが、DuckDuckGoはそうしたデータをいかなる目的ででも保存したり使用したりしないと約束している。「たとえあなたがより正確な情報のシェアを選んだとしても、あなたの検索は完全に匿名のままだ」としている。
「我々は、IPアドレスのような個人を特定できる情報をAppleや他のサードパーティに送ることはしない」。
同社が昨年語ったところによると、DuckDuckGoは毎日3000万件もの検索を処理していて、この数字は前年比で50%超のアップという。
イメージクレジット: Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)