チャットボットのブームであるようだが、実際に役立つものが少ないと感じている人も多いようだ。しかし言語学習の際に利用できれば、それはきっと便利なのではないだろうか。学習した内容を、コンテキストの中で使ってみることができれば、身につく度合いも変わってくることだろう。とくにオンラインで学習している場合、習ったことを試してみる相手が周りにいないケースが多いだろう。そういうケースに対処しようと、DuolingoはAIを活用したチャットボットをアプリケーションに導入することにしたのだ。
今のところ、チャットボットが対応しているのはフランス語、スペイン語、およびドイツ語についてのみだ。またiPhone版アプリケーションのみの対応となっている。ボットはクラウド上に存在するので、利用にあたってはインターネットに接続している必要もある。
ボットとの会話を魅力的なものとするため、Duolingoは複数のキャラクターを用意してもいる。たとえばシェフのRobert、ドライバーのRenée、およびオフィスワーカーのAdaなどのボットが存在する。それぞれに、こちらからの会話に対して異なるリアクションをとるようになっている(過ちの正し方もそれぞれに異なる)。いろいろなキャラクターを用意することで、現実世界に近い状況を提示しようという意図もあるのだろう。
なお、チャットボットが会話時のバリエーションを認めているのもうれしいところだ。言語学習のアプリケーションでは、これができないものが多い。たとえば挨拶の仕方などは何通りもある。しかし決まった表現しか許さない学習ソフトウェアが多いのだ。さらにはどのように答えてよいのかまったくわからない場合には、ボタンクリックでヒントを示してもくれるようになっている。
「外国語を学ぶ際の大きな目標のひとつは、会話をすることだと思います」とDuolingoのCEO兼共同ファウンダーのLuis von Ahnは述べている。「ボキャブラリーや読解力のトレーニングはこれまでのDuolingoアプリケーションでも行うことができました。しかし学んだことをいきなり現実世界で試すというのはいろいろと難しいものでしょう。そういうときに、わたしたちのチャットボットが便利にかつ有効に機能すると思うのです」。
今のところはテキストベースのやり取りしかできない。しかし音声対話も行えるようにしたいと考えているそうだ。
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(翻訳:Maeda, H)