Epic Gamesが写真測量ソフトウェアメーカーのCapturing Realityを買収

Epic GamesはUnreal Engine開発者スイートの拡充を目的とした最近の一連の買収により、ゲームインフラのM&Aで急速に支配力を増している。米国時間3月9日、同社は環境やオブジェクトの3Dスキャンを処理する方法を改善するために、写真測量スタジオのCapturing Realityのチームを採用したと発表した。

なお、買収条件は明らかにされていない。

フォトグラメトリーでは複数の写真やレーザースキャンをつなぎ合わせてオブジェクトの3Dモデルを作成し、それを単一のファイルとしてエクスポートできる。コンピュータビジョンの技術が進化し、手動での調整を最小限に抑えられるようになったため、デザイナーは現実世界の環境をゲームに取り込むためにフォトグラメトリーを多用するようになっている。

フォトグラメトリーを使用することで、スタジオ開発者は同じような3Dアセットをゼロから作成するのにかかる時間の何分の一かの時間で、フォトリアリスティックなアセットを短時間で作成できる。フォトグラメトリーは衣類からクルマ、山まで、あらゆるものの3Dアセットをすばやく作成するために使用できる。3D空間に存在するすべてのものをキャプチャーでき、ゲーム機やGPUの出力能力が向上するにつれてレンダリングできるディテールのレベルが向上し、より詳細な3Dアセットを利用する必要性も高まっている。

スロバキアのブラチスラバに拠点を置くCapturing RealityはUnrealに機能が統合されても、独立して運営を続ける。EpicはCapturing Realityのサービスの価格を引き下げ、永久ライセンス料を1万5000ドル(約163万円)から3750ドル(約41万円)に引き下げたことを発表した。スタジオサイトに掲載されているFAQによると、同社は今後もゲーム以外のユーザーをサポートしていくという。

なお2019年にEpic Gamesは、開発者がアクセス可能な写真測量「メガスキャン」のライブラリをホストするQuixelを買収している。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Epic Games買収フォトグラメトリーCapturing Reality

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(文:Lucas Matney、翻訳:塚本直樹 / Twitter

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TechCrunch Japan

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