Evernoteは、人の生活やそれ以上の物事に関するアイデアとメモを残すプラットフォームとして名を成してきた。しかし、同じ永続性はそこで働く人々にはあてはまらなかった。
本誌は複数の情報筋を通じて、EvernoteのCOO、Linda Kozlowskiが、年内に会社を去る予定であることを確認した。
これは、人気スタートアップに相次いでいる紆余曲折の最新事例だ。今年Evernoteは、新たなCEOを迎え、レイオフを体験し、複数のオフィスを閉鎖し、複数のサービスを中止してきた。
Kozlowskiが辞める理由は明らかにされていないが、その唐突さは注目に値する。KozlowskiはEvernoteに入社後わずか3年あまりであり、COOの任務に就いたのはつい今年の夏だった。
この後他に何が続くかも注目だ。少なくともあと4人の幹部が数ヵ月中に去る、と複数の筋が伝えている。
Kozlowskiの就任後これほど早い退社は、現在Evernoteに起きている激変を浮き彫りにしている。
Evernoteは2007年に設立され、そのモバイル・デスクトップ用メモ書き・整理アプリのユーザーは1億人を超え 、これまでに2.9億ドルの資金を、Sequoia、Morgenthalerらの投資家から調達した。最も近くは、日本の経済紙最大手、日経も名を連ねた。
しかし最近になって、同社は混乱に陥っている。製品の焦点が定まっていないことを叩かれている ― 様々なバーティカルアプリやサービスの提供と閉鎖を繰り返し、中核製品はアプリであるにも関わらず、物理的商品にリソースを注入している。また、無償ユーザーの有償プランへの転換が十分できていないことも批判されている。
一連の幹部の退社も、上級社員の多くはPhil Libinが仕切っていた頃からのメンバーであることを考えれば、驚きではない(Libinは今も会長を務めているが、General Catalystのパートナーでもあるため、現CEOのO’Neillほど日常業務に関わっていない)。
KozlowskiはEvernoteの新市場および新ビジネス分野両方の成長における中心人物であると、Libinが 彼女を指名した時のブログに書いている。
在籍中、LindaはEvernoteを世界中の個人やチームに届けるために休みなく働いてきた。国際事業担当VPとして、彼女はEvernoteの国際的取り組みをすべて取り仕切り、中国とブラジルへのEvernote進出も指揮した。最近では、Evernoteの国際料金戦略でも采配をふるい、新たなEvernote PlusおよびEvernote Premium料金プランの成功を導いた。
いずれもEvernoteの重要な目標であることは間違いない。しかし、CEO O’Neillの言う、「明日に向けての成長と拡大への集中」という方針に、ユーザーもEvernote社員自身も、今日またどんな変化が起きるのか不安に感じているだろう。
EvernoteおよびKozlowskiは、本誌のコメント要求に答えなかった。
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi / facebook)