Evernoteでは依然として過渡期が続いているようだ。それを証拠立てるように、国際的にも有名な副社長2人が同社を離れたことが伝えられた。パートナーシップ開発担当副社長でEvernoteの設立最初期から9年以上在籍していたAlex Pachikovが来年1月に新天地を求めることをTechCrunchはつかんだ。またLinkedInのプロフィールによれば、ブランド担当副社長のAndrew Sinkovも最近Evernoteを離れている。
こうした人材の流出の5ヶ月ほど前に、CEOで共同ファウンダーでもあるフィル・リビンがエグゼクティブ・チェエアマンに移され、元Googler幹部のChris O’NeillがCEOのホットシートに座るという人事があった。リビンは名門ベンチャーキャピタルのGeneral Catalyst Partnersのマネージング・ディレクターも兼任しており、EvernoteのCEOを退くことになったのは「日々の決定を行う時間が取れなくなったのが理由であり、まったく自分の意思で行われたものだ」と強調している。しかしTechCrunchは先月、COOのLinda Kozlowskiが今年一杯で会社を去るという情報を得た。
EvernoteもPachikovも辞任の件の取材には回答していない。
Evernoteにとって2015年は波乱の年となった。経営陣の交代に加えて、同社はスタッフと業務も一新した。海外オフィス3箇所を閉鎖し、47人を解雇し、Evernote Food、Skitch、Clearly、Pebble Watchという人気アプリをシャットダウンすることを発表した。(Mac版のSkitchのみ斧を免れたらしい)。Evernoteではこうした改革を「コア・ビジネスに資源を集中するため」としている。
Pachikovのチームにはさらに大きな改革が行われ、ある情報源はこれを「新スタッフによって旧メンバーは大虐殺された」と表現した。 チームのカギとなってきた人材、パートナーシップ担当ディレクターのTammy Sun、パートナーシップ担当上級ディレクターのPearl Woon-TaiはボスのPachikovに習うように同社を離れた。スタンフォードの卒業生であるWoon-TaiはFacebookに移り、現在そこでモバイル事業のパートナーシップを担当している。
主要スタッフの離職はそれだけでは会社がトラブルに直面していることを意味しない。投資家はEvernoteのビジネスを詳細に検討した結果、不調に陥っており経営の根本的立て直しが必要だと結論したようだ。Evernoteの新CEO、O’NeillはEvernoteを支えるビジネスの柱を新たに構築しなければならないが、それを全く新しい陣容で実行できるのはあながち悪いことではないだろう。結局ビジネスでは結果がすべてだ。Evernoteにとって2016年は非常に重要な再出発の年になる。
画像: WhatleyDude/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)