Facebookの魅力の本質はニュース(それならどこででも見つけることができる)にあるのではなく、身近な友達の投稿にある。Facebookが投稿の背景に好みの色を付けられるオプションをテストしているのも個人的な親密性の強調というところににあるのだろう。
この機能は近況の投稿のテキストの背景に着色できるというものだ。普通はなんの変哲もない白地だが、Instagramのロゴに似たカラーピッカーで色彩やグラデーションが設定でき、投稿は大いに個人化される。
これは週末に読者のHoan DoからTechCrunchに情報提供があったもので、われわれの取材に対してFacebookも背景着色機能を実験中であることを確認した。テストはアメリカ以外の地域で一部のユーザーを対象に行われているようだ。カスタマイズされた背景色はテストに参加してないユーザーには表示されない(白地に見える)。しかしFacebookがテスト範囲を拡大すれば誰でも背景色を見ることができるようになるだろう。
色付き背景の導入はFacebookが強く推奨する「オリジナル情報の投稿」を後押しするものだろう。Facebookではインターネットにあふれている記事やビデオクリップの口コミ拡散ではなく、個人の体験を共有することをユーザーに求めている。
実はThe Informationの4月の記事によれば、Facebookの投稿におけるオリジナルの情報の割合は低下の傾向にあった。「オリジナル・コンテンツの公開」が全投稿に占める割合は2015年4月には対前年比15%のダウン、2015年半ばには21%のダウンだった。
Facebookでは「オリジナル・コンテンツの共有は堅調だ」として低下傾向を重視しない姿勢を見せていた。しかしニュースフィード担当副社長、Adam Mosseriは9月にサンフランシスコで開催されたTechCrunch Disrupt SFで、「メディアのコンテンツ共有の伸びがオリジナル・コンテンツの伸びを上回っている」ことを認めた。そうであれば当然オリジナル・コンテンツの割合は低下していくことになる。Facebookでは9月以降、家族や友達の投稿を優先するよう表示の優先順位を変えた。これはニュースフィードにおけるパブリッシャー(メディア)のコンテンツとオリジナルのコンテンツの間のバランスを回復することを意図したものだろう。
Facebookではオリジナル・コンテンツの推奨の一環として「文字を大きくする」機能を導入している。この機能は短いテキストの文字を大きなフォントで表示するもので、オリジナル・コンテンツを目立たせようとするものだ。こうした機能はライバルのTwitterからテキスト情報の表示での優位性を奪おうとする試みだろう。Twitterは間違いなくもっとも普及したテキスト情報の共有プラットフォームだが、メンバー数ではFacebookの足元にも及ばない状態だ。
Facebookが当初ニュースフィードを立ち上げたとき、この機能は完全にテキスト・ベースだった。古いユーザーなら“Josh Constine
is…”のように、自分の名前の後に自動的に “is” が挿入されていたのを覚えているかもしれない。つまりニュースフィードは文字通りユーザーが「現在なにをしているか」という情報を共有する場だった。
よく知られているように、CEOのマーク・ザッカーバーグは写真、ビデオ、 360°の写真やビデオ、拡張現実などによってFacebookはリッチ・メディア化すると繰り返し説いている。しかし依然としてある種のことがらは短い文章で表現するのがいちばん有効だ。投稿の背景が着色できるようになれば、プロのパブリッシャーのコンテンツで混雑してきたニュースフィード中で、オリジナル情報を目立たせる効果があるだろうと思う。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)