米国時間1月12日にFacebook(フェイスブック)は「Access Your Information(個人データ管理ツール)」を改訂した。使いやすく見つけやすくするとともに、データがなぜ、どのように使われているかを詳しく説明することが目的だ。新しいバージョンのツールはデザインも変更になり、確認することのできる情報カテゴリーが8つになった。以前は2つだけだった。
このツールは2018年に初めて公開された。Cambridge Analytica(ケンブリッジ・アナリティカ)スキャンダルが勃発し、Facebookユーザー最大8700万人の個人データが流出した後のことだ。事件後Facebookは同社アプリの動作にいくつもの変更を加え、ユーザーがもっと簡単にFacebookのプライバシー設定を発見、活用できるための新機能を追加した。
その1つが個人データ管理ツールで、ユーザーが自分のFacebook投稿、リアクション、コメントなどを検索して安全に管理する方法を提供するものだ。狙いはユーザーがこのツールを使って自分の情報を引き出し、「Facebookに載せておきたくないものは何でもタイムラインやプロフィールから削除」できるようにすることだ。
これまでこのツールでは、データのカテゴリーが「あなたの情報」と「あなたに関する情報」という大まかな2つに分かれているだけだった。改訂版では8つのカテゴリーに分けられた。
- Your Activity Across Facebook(Facebookでのアクティビティ)
- Friends and Followers(友達とフォロワー)
- Preferences(設定)
- Personal Information(個人データ)
- Logged Information(記録済み情報)
- Ads Information(広告情報)
- Apps and Websites Off Of Facebook(Facebook外のアプリとウェブサイト)
- Security and Login Information(セキュリティとログイン情報)
8つのカテゴリーはそれぞれサブカテゴリーに分けられる。こうすることによって、見たいデータ、削除したいかもしれないデータにたどり着くのが簡単になる。
同ツールにはこの改訂で検索機能が加わった。データのカテゴリーを検索で見つけられる。たとえば「location」とタイプすると位置情報の履歴に関する情報を見ることができる。
さらにこのツールは、Facebookがプラットフォーム上でユーザー体験をカスタマイズするのにこのデータをどう使うかを、以前よりわかりやすく説明している。たとえば主要な所在地はフードデリバリー店の広告をターゲットするために使う指標の1つであることがわかる(Facebookは広告の「これが表示される理由」ツールですでに説明しているが、今回このツールにも入った)。
Facebookは、今回の変更はユーザーがこのツールをどう使っているか、特にどのカテゴリーのデータをクリックしていたかに基づいて開発したと語った。
それにしてもツール改訂のタイミングは注目に値する。Apple(アップル)では、どのアプリが個人データを集めそれを使って追跡しているかをApp Storeユーザーに目立つように知らせる大がかりな取り組みが進んでいる。現在Appleは、アプリにApp Storeプライバシーラベルを付加することを義務づけており、近々追跡するためにはユーザーの許可を必須にする。
Facebookはこの要請に対し、同社のパーソナライズド広告の支持を得ようとウェブサイトを立ち上げ、新聞に全面広告を掲載して、Appleの方針変更のために中小企業が受ける(と同社が称する)損害を指摘した。
改定されたツールは、なぜそのデータや広告が有用であるかを説明することで、ユーザーにFacebookの言い分を伝えるためにも役立つ(結局、実際に地元で自分がサービスを受けられるフードデリバリーの広告を見る方がいいでしょう?Facebookはあなたにそう考えてほしいと思っている)。
そして、有罪の証拠になるFacebook履歴を急いで削除しようとする人たち、という小さいとはいえない問題がある。たとえば先週の暴動で議事堂の中にいるところが映った写真やビデオのように。FBIが連邦犯罪として摘発し、最高裁判所ではさらに数十件が有罪判決を受けている現在、あのイベントへの参加を大々的に曝すことを考え直している人もいるかもしれない。新しいツールはそれにも役立つ。
しかしFacebookは、この機能拡張は単なる利便性の改訂だと質問に答えた。
新しいツールはiOSとAndroidで本日公開、デスクトップへの展開は近日中の予定だ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )