仮想現実はコンテンツを必死に求めているかもしれないが、いまやFacebookのOculusは自身による仮想現実コンテンツの制作ではなく、外部への投資に力を注ごうとしている。
Oculusのコンテンツ担当副社長のJason Rubinは、米国時間5月4日、受賞歴もある映画VR部門であるOculus Story Studioの閉鎖を発表した。
「慎重に検討を重ねた結果、社内でのコンテンツ制作ではなく、より多くの外部制作をサポートすることに焦点を移すことにしました」とRubinは書いている。「そのシフトの一環として、Story Studioを閉鎖することになりました」。
10月に開催されたOculus Connectデベロッパーカンファレンスでは、FacebookのCEO、Mark Zuckerbergは、同社がすでにオリジナルVRコンテンツに2億5,000万ドル以上を投資してきたこと、そしてRiftならびにGear VRユーザーたちが、ヘッドセットで見ることができるオリジナルコンテンツのために、さらに2億5000万ドルを投入することを表明していた。
Rubinは、既にコミットされているの資金のうち、特に5000万ドル分は、ゲーム以外のインタラクティブなコンテンツのために投資されると述べた。
Oculus Story Studioは、オリジナル映画コンテンツ制作のために2014年に設立された。昨年、Studioは短編アニメーションのヘンリーでエミー賞を受賞受賞していた。ハグするのが大好きな可愛らしいハリネズミを描いたPixar風の作品だ。
Story Studioチームは、最新プロジェクトのDear Angelicaを制作する過程で、高機能なVRペインティングプログラムであるQuillというプロダクトを開発した。これを用いることで、ユーザーたちは仮想空間の中でコンテンツを作成することが可能になる。Studio閉鎖のあとも、QuillはOculusストアから引き続きダウンロードできるようになる予定だが、この先アップデートされる予定はない。Oculusはソフトウェアをオープンソースにすることを計画している。
この突然の閉鎖は、Studioの4番目の主要作品となる予定だった”The Wolves in the Walls”(壁の中の狼たち)の制作中に公表された。なお同社はこの作品がキャンセルされたことを公表している。
閉鎖に伴いOculus Story Studioの約50人は職場を去ることになる。Oculusの広報担当者はTechCrunchに対し、これらの従業員は、OculusもしくはFacebook内の他のポジションへの異動を申請できると話した。
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(翻訳:Sako)