公開間近と噂されていたFacebookの新しいニュースセクションが米国時間10月25日についに登場した。同社はFacebook Newsを米国内で限定テスト公開し、Facebookアプリにホーム画面タブとブックマークが追加された。
Facebookのグローバルニュース・パートナーシップ担当副社長であるCampbell Brown氏(キャンベル・ブラウン)とニュース担当プロダクトマネージャーであるMona Sarantakos氏(モナ・サランタコス)はブログ記事で、今後もメインのニュースフィードにニュース記事は表示されると語った。ただし、ジャーナリズムに特化した専用タブを設けることで、「ユーザーが自分の読む記事を制御し、興味のあるニュースをFacebookアプリ内で探せるようにする」と付け加えた。
ブラウン氏とサランタコス氏は新しいニュースタブについて、ニュースパブリッシャーの助言を得て開発するとともに、今年米国で10万人以上のFacebookユーザーを対象に行った調査のフィードバックに基づいていると説明した。
Facebook Newsは、ユーザーが目にする記事を決めるために、人間の編集者とアルゴリズムの両方を使うようであり、これはユーザーや広告主が投稿したコンテンツの監視を躊躇していた会社としては意外な行動だ。中でも、Today’s Storyと名付けられたセクションでは、その日一番の全国ニュースをジャーナリストのチームが選んで取り上げる。
その一方で、Facebookはユーザーの興味と行動に基づいたアルゴリズムによるお勧め記事も提供する。見たくない記事、話題、出版社を指定して非表示にできるほか、ビジネス、エンターテイメント、健康、科学、技術、スポーツなど、扱いが少ないと日頃Facebookユーザーが感じているテーマの記事を見るための専用セクションもある。
「パーソナル化に関して、パブリッシャーは機械学習の限界を心配しており、たしかにそのとおりだ」と両氏は語る。「テクノロジーだけに頼って質の高いニュースを提供できるようになるまでにはまだ努力が必要だ」。
とはいえ、アルゴリズムが「Facebook Newsの大部分を選んでいる」と2人は説明し、そのアルゴリズムが「個人や独立組織を含むデジタル世代の新しいジャーナリズムの形を生み出す」ようになるべく努力を続けていると語った。
そのほか、Facebookアカウントとニュース購読をリンクしているユーザーが購読しているコンテンツを見るためのセクションもある。
どのパブリッシャーが参加するのか?両氏によると、FacebookのNews Page Indexに登録済みでかつ同社のパブリッシャーズ・ガイドライン沿っている必要がある。ガイドラインではニセ情報(第三者のファクトチェッカーが判別)やヘイトスピーチも禁止している。
Facebookは参加出版社のリストは提供していないが、News SectionのスクリーンショットにはThe Wall Street Journal、Time、The Washington Post、BuzzFeed News、Bloomberg、Fox Business、Business Insider、NPRなどの名前が見えた。広報担当者によると、その他に The Pos、BuzzFeed、LA Timesの参加も確認しているという。
Facebookに頼りすぎた結果失敗ニュースメディアも過去にはあったが、Facebookと一緒に仕事をするのをやめるつもりはないようだ。
一部のニュースメディアに対してFacebookが年間数百万ドルを支払っている(Recodeによる)ことも参加の理由になっているかもしれない。Facebook広報担当者は私に、「さまざまなテーマの記事を集めるために、事実に基づくオリジナル記事を安定供給する一部のメディアに対して支払いを始めた」と語った。
BuzzFeed NewのBen Smith(ベン・スミス)編集長はTechCrunch宛てのメールで、BuzzFeedは「喜んで参加する。Facebookはニュースがプラットフォームにもたらす価値を、率先して目に見えるかたちで示している」と語った。
また、Los Angeles Timesのコミュニケーション担当副社長のHillary Manning(ヒラリー・マニング)氏は、「Facebook Newsを通じて新たな人たちとつながることで読者を増やし、デジタル購読者基盤を成長させられると期待している」と(これもメールで)語った。Facebook Newsは米国内の限定されたグループのユーザーに本日から提供される。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )