Facebookは、ユーザープロフィールを不当かつ大量に収集している疑いがある「数万本のアプリ」との接続を凍結したと公式ブログで発表した。
1年前のCambridge Analyticaスキャンダルの後、Facebookの調査チームが個人情報を収集していると指摘したアプリは400件だったから、今回の措置は範囲が大きく拡大されたことになる。2016年の大統領選挙に際して投票先を決めていないユーザー数千万のプロフィール情報がトランプ候補の当選を助けるために用いられた疑いが出ていた。
Facebookは今回凍結したアプリの正確な数については発表していないが、デベロッパーは400社に上るという。
アプリの接続が停止された理由となった利用約款に反する行為の形態は複数だ。Facebookのユーザープロフィールを大量に吸い上げていた場合もあり、個人が特定可能な状態で取得したプロフィールを公開していた場合もある。
Facebookは個人情報の侵害を約款で繰り返し禁じてきたが、ユーザー情報の不当な利用が「これまで公表してきたものだけだったとは確認できなかった」という。過去に公表されたものとしては、韓国のデータ解析企業であるRankwaveによるデベロッパープラットフォームの不当な利用、Facebookによる監査の拒否、myPersonalityのようにクイズを装って400万件以上の個人データを収集していた例などがある。
スキャンダルの発覚によりCambridge Analyticaなど深刻なセキュリティーの侵害を.行ってきた企業の運営は停止されたが、議会、連邦政府当局はさらなる調査を行い、また制裁金を課している。これにはFacebookのLibra暗号通貨プロジェクトから同社のユーザーデータの処理に関する問題などが幅広く含まれる。
Facebookでは「この件に関しては引き続き調査を継続する」としている。
画像:Getty Images
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(翻訳:滑川海彦@Facebook)