Facebookはモバイルインターネット接続が遅い環境でSNSを体験する取り組みを社内で行った。Facebookを利用する多くのユーザーは新興国に住み、そのような環境にいるからだ。
「2G火曜日」と呼ぶこのプログラムはFacebookの社員がモバイルインターネット接続を1時間だけ2Gにするもので、Business Insiderが最初に報道した。一日かけて行われるものではなく、参加するかどうかも自由だそうだ。この取り組みを通し、あまり旅行に行かない従業員でも、遠い国のユーザーがどのような問題を抱えているかを理解することができる。
アメリカとヨーロッパ以外の国からFacebookにアクセスしているユーザーは月間10億に近い。それを考えると、Facebookにとってこの新たな取り組みは賢いだけでなく、必要不可欠なものであることが分かる。Facebookを2Gのインターネット接続して使用すると、まるで全く違うサービスのように感じるだろう。しかし、2Gが唯一の接続方法でない限り、そのような状況について深く理解することはできない。
「新興国からのオンライン接続は爆発的に増えています。多くの場合、彼らはモバイルを経由した2G接続を使用しています。しかし、2Gネットワークでも接続が弱いところでは、ウェブページをダウンロードするのに2分もかかることがあります。世界の各地域の異なるインターネット接続環境で、Facebookがどのように利用されているのかを知る必要があります。そうすることで彼らにとって最適なユーザー体験を構築することができます」とFacebookのスポークスマンはTechCrunchにメールで伝えた。
Facebookのエンジニアディレクターを務めるTom Alisonは、Business Insiderに2Gの速度に対し「辛抱強さを試されました。プロダクトが部分的に壊れているように感じました」と話している。
このような気づきをFacebookはプロダクトとサービスを構築するために求めていたのだろう。
世界規模のユーザーベースを獲得することに注力し、Facebookは夏に新興国のAndroidユーザー向けにFacebookの簡易版をローンチした。また、昨年はメインの Androidアプリを刷新し、容量を小さく、効率的になるよう変更している。Facebookは新興国向けにInternet.orgのサービスも展開している。
[原文へ]