FacebookはユーザーがSMSのメッセージをモバイル端末のMessengerアプリから受け取り、読んで、返信する方法を検証しているという。このオプション機能が広く利用できるようになれば、ユーザーがモバイル端末に元から入っているてテキストメッセージアプリから離れ、Facebook Messengerでより多くの時間を使ってもらうことを促すことができるかもしれない。
また、Messengerに新たにマルチアカウント対応がついた。これは、1台の端末を数人で共有している人たちのために設計されたものだ。
ソーシャル・ネットワークのFacebookは、SMS検証を行っていると認めた。MessengerのSMS連携を復活させる考えのようだ。
Android Policeのブログ投稿によると、ユーザーの中には新しいSMS設定パネルが表示され、SMSクライアントとしてMessengerが使えるように変更できるという。
このオプションを付けた状態でMessengerから友達にメッセージを送る場合、テキストの入力ボックスには「SMSメッセージを書く」という文字が表示される。通常のMessengerの吹き出しは青色だが、SMSとして送信されたメッセージは紫色の吹き出しで表示されるとブログは伝えている。
若いユーザーは覚えていないかもしれないが、Facebook MessengerはFacebookの友達と素早くチャットするためのものであると同時に、そもそもSMSを置き換えるのが目的のアプリだった。2013年の後半、Facebookはこのアプリを刷新し、Facebook友達でない人でも電話番号でメッセージを送れる機能を付けた。そのように送信したメッセージは受信側のMessengerアプリに届く。
同時にFacebookはSMSメッセージを送信するオプションを廃止し、その理由として「利用の魅力が低い」としていた。FacebookはMessengerが多くの人に使われるために取り組んでいて、上手くいっているようだ。そして2014年にはFacebookアプリからもメッセージ機能を廃止した。
Facebookが今になってMessengerにSMS連携を復活させるのには、それが同社の2016年度のビジョンと一致しているからだ。そのプランには、Facebookは電話番号をなくす、という内容が含まれている。
TechCrunchのJosh Constineがその発表に関して指摘したように、Messengerはアメリカで他のメッセージアプリの中でも群を抜いていて、本当の競合になるのはSMSとiMessageくらいだ。
これまで同社は、ユーザーを端末に元から入っているテキストメッセージアプリからMessengerへの移行を促すためにいくつか大きな動きを見せた。例えば、Facebookに登録している人なら誰にでもメッセージ・リクエストを送る機能の実装だ。メッセージを送るのに相手の電話番号を知る必要がなくなった。
「メッセージ・リクエスト」として知られるこの機能は、モバイルのメッセージ体験にプライバシーを付け加える。「フィルタ済み」のフォルダーから受け取ったリクエストと送信者の情報を合わせて見ることができるが、メッセージの送信者は受信者がそれを見たかどうかを知ることはない。
この機能は、Facebookにおけるソーシャルなつながりに別のつながりを持たせる。Facebook友達ではないがメッセージをやりとりできる人たちのつながりだ。
しかし、本当にSMSをなくすためには、Facebookは(再度)ユーザーがMessengerをSMSクライアントとして利用することを認めなければならないことに気がついたようだ。遊び心のある機能も、例えばGIF、写真、動画対応、音声通話、隠しチェスゲーム!なども、メッセージを送りたい友人がアプリをインストールしていなければ意味がない。普通にテキストメッセージをSMSで送ることになるだろう。
モバイルメッセージアプリを元からあるSMSクライアントにするのは、もちろんGoogleもAndroid端末で試みていることでもある。しかし、Googleの場合この実装から撤退しようとしているようだ。Googleは、 SMS連携したHangoutアプリからGoogleの通常のSMSアプリの利用に戻るようにとユーザーに伝えているという話を聞いた。
FacebookはGoogleの戦略と逆のアプローチを取っている。
FacebookのスポークスパーソンはSMSとの連携を検証していることを認め、次のように話した。
Messengerではいつも、人々が誰とでもシームレスにコミュニケーションが取れる新しい方法を試しています。現在、私たちは、全てのやりとり(SMSとMessenger)を1つの場所から簡単に行える方法を検証しています。これは、1つのアプリからSMSメッセージの受信、見て、返信する簡単な方法です。MessengerからSMSメッセージ連携を選択することで、Messengerが提供する他の多様な機能と同様に簡単に使えるようになります。
私たちはこの機能の検証はアメリカの少数のAndroidユーザーに向けて解放されていると理解している。
残念ながら、この機能がiOSで上手く作動するにはAndroidよりOSの深い部分での機能統合が必要となるため、iOSユーザーがMessengerからSMSメッセージを使うオプション機能を使えることはないかもしれない。
2つ目の新機能:Messengerにマルチアカウント対応
Messengerの機能追加はSMS対応だけではない。Facebookはアプリをマルチアカウント対応にしたと発表した。
これまでMessengerにアカウントを切り替える楽な方法はなかった。つまり、端末を複数人で使っていて、それぞれがプライベートな個人のMessengerを確認したい場合、いちいちMessengerをイストールして、アンインストールする手間がかかった。
今回、Android版Messengerに「アカウント」という新たなセクションが登場し、アプリにアカウントを追加したり、削除したりすることができるようになった。これらのアカウントにはパスワードも設定することができ、アカウントの持ち主だけがメッセージを読めるようにできる。他のユーザーはメッセージの受信を知ることはできるが、中身は見れない。
スポークスパーソンはこの機能追加も認め、「何百万人の人が、家族や友人間で端末を共有しています。これまで共有する端末からそれぞれ個人のMessengerアカウントにアクセスする楽な方法はありませんでした。この問題を解決するため、Android版の機能に1つの端末のMessengerアプリに複数のログインを認め、アカウントが使える機能を追加しました」と伝える。
この機能はSMSオプションと違い、世界中に展開される。
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