Facebookに買収されたParseがモバイルデベロッパ向けのWebホスティングを提供開始

モバイルデベロッパのためのバックエンドサービスParseは、最近Facebookに買収されて、Facebookのデベロッパ向けサービスを担うことになった。そのParseが、このほどホスティングサービスを立ち上げた。それは主に、モバイルデベロッパのWeb進出を助けるためである。買収によってParseの事業は拡大し、同社がホストしているアプリの数は買収の発表以降30%アップの8万となった。

“Parseはモバイルアプリの構築に利用されているが、でもユーザがWeb進出や“.com”URLのランディングページが欲しくなったときには、これまでは、ログインはParseからでもWebサイトはほかのサービス、たとえばHerokuやApp Engineなどからサーブされていた”、Parseの協同ファウンダIlya Sukharはこう説明する。“そこでうち自身が、完全な機能のあるWebホスティングプラットホームを立ち上げることにしたのだ”。

Sukharによると、そのプロジェクトの開発にはこれまでの4ないし6週間を要した。Facebookとの交渉が進んでいるときも、手を休めなかった。

ParseのホスティングでWebページをサーブすると、ページ上に表示されるユーザデータをParseのDataプロダクトから簡単に取り出せる。だからたとえば、モバイル上のゲームのハイスコア表をWebページに表示する、なんてことも容易にできる。

ParseのHostingは、これまでParseが提供していたData, Social, Push(プッシュ通知), Cloud Codeなどのプロダクト群の一環となる〔ParseのWebページ上ではHostingがいちばん最初に紹介される〕。

Sukharによると、Facebookによる買収はデベロッパたちの嫌気や退社を喚起しなかった(買収額は8500万ドル+社員引き留めボーナスと言われている)。Facebookによる買収の発表時には6万だったアプリも、今では8万に増えている。“ユーザや社員がParse離れをする、という説も一部にはあったが、それはなく、今ではすべての数字が上向きだ”、と彼は言う。

Pareseには、Apple、Yahoo、Dropboxなども関心を示していたが、最終的にはFacebookが競り合いに勝った。Facebookにとっては、初めてのB2Bの収益源ができたことになる。またInstagramの場合と同様に、買収企業のチームには最大限の自律性(Facebookからの無干渉)を与え、彼らのプロダクトの成長を期待している。Facebookは、ParseのSaaS方式の収益モデルにも干渉していない*。〔*余計な訳注: SaaSというよりも、むしろPaaS。Parseという社名は、その駄洒落だと思う。何らかのパーサを提供しているわけではないから。〕

Parseはまだ、お祝いパーティーなどをやっていない。“ほかにやるべきことが山のようにあるからね”、と彼は言う。

〔Parse過去記事。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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