そもそもReactとは、開発者が単一ページのアプリを構築するためにFacebookが社内で開発したフレームワークだ。そして、React NativeはReactと同じ開発スキルを使ってiOSとAndroidのネイティブアプリの開発を助けるために作られた。
Facebookは、今日のF8開発者カンファレンスで発表で、React Nativeを使ってAppleのアプリストアにアプリを出した企業と開発者が500以上になり、Google Playストアに出した企業や開発者が200以上になったと示した。(Android用のReact Nativeは最近リリースしたものであるため、iOSとAndroidの数字に差がある)
それ以上に重要なのは、オープンソース化したReactのエコシステムが継続的に成長していることだろう。Facebookによると、昨年のF8でオープンソース化してから、600人以上がReact Nativeのコードベースにコードをコミットしたという。Facebookは、25万人以上の開発者が現在Reactのツール(React Nativeの基盤)をインストールしているという。
また、FacebookはMicrosoftとSamsungがReact NativeをそれぞれWindows 10とTizenに対応すると発表した。つまり、これで開発者はReact Nativeを使ってUniversal Windows Platform用(これでより多くの開発者が利用することが考えられる)にアプリを開発することができるようになる。SamsungのHTML5ベースのTizenプラットフォームは、Smart TVやスマートウォッチで多く使われている。React Nativeの対応で開発したアプリが流通する新しいマーケットが開かれることになる。
これだけでも十分ニュースだが、Facebookはさらに自社のFacebook SDKをReact Nativeでも利用可能にすると発表した。開発者はシェア、アプリアナリティクス、Graph APIといったFacebookの基本機能を自分たちのアプリに簡単に実装できるようになる。
F8の開催前、私はFacebookのProduct InfrastructureチームのディレクターであるAdam Wolffと話をする機会があった。彼はReact、GraphQL、Flowなどのプロジェクトを責任者だ。彼は、オープンソースのReact Nativeプロジェクトの成功に驚いたと話す。Facebookにとってオープンソースにするということに関して問題はなかったそうだ。「開発者向けに何かを作るのであれば、今、オープンソース化しなければなりません」とWolffは言う。コミュニティーの助けを借りて課題解決することでしかFacebookは利益を得ることができないと彼は考えている。ただ、Facebookが求めていることとコミュニティーが求めていることが時折異なる場合もあることも認識しているという。その理由の1つは、Facebookは多くの企業とは全く違うスケールで事業を運営しているからと話す。しかし、プルリクエスト、そしてFacebookが求めていることを明確に示し、透明性を保つことで、Facebookの意思決定に対するコミュニティーの理解が得られるようにしていると言う。
Wolffはまた、MicrosoftとSamsungに関する今日の発表は、React Nativeのエコシステムが健全なものであることを示すと強調した。
Wolffは彼のチームが最もフォーカスしていることは、React Nativeの対応の早さを担保することという。「どのネイティブ体験においても競争力を持ちたいと思います」と彼は言う。Facebookのモバイルアプリ向けに新機能を開発するチームの多くはReact Nativeに切り替えているが、ユーザーはその違いに気づくことはないと言う。
開発者にどのようにFacebookがReact Nativeを内部で活用しているかを示すため、同社はF8アプリとそのドキュメントをオープンソース化する。
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