Facebookの4014年度第4四半期の決算は、10期連続でアナリストの予想を上回った。Facebookのユーザーは13億9300万人となり、対前年比で3.18%増加した。これは第3四半期の2.2%より高いが、第2四半期の3.125%よりは低い。一株あたり利益は0.54ドル、売上は38.5億ドルだった。広告売上のうちモバイルが69%を占めた。これは前年同期の66%より高く、Facebookのビジネスがモバイルに確固とした足場を築いたことを確認させる数字だ。
1日あたりユーザーは8億9000万人、月間モバイル・アクティブ・ユーザーは11億9000万人(6.2%アップ)、1日あたりモバイル・ユーザーは7億4500万人(5.97%アップ」)となっている。つまりFacebookのモバイル分野における成長は依然加速中ということだ。「モバイルのみ」のユーザーは5億2600万人と対前年比で15.3%も増加した。これはデスクトップ・コンピューターの普及が遅れている途上国におけるFacebookのマーケティング活動が成功したことを意味している。
ウォール・ストリートのアナリストは売上37.8億ドル、一株あたり利益0.48ドルと予測していた。その他のFacebookの財務データとしては、GAAPベースの原価及び費用が27.2億ドル、GAAPベース利益が11.3億ドル、GAAPベース営業利益率が29%、資本費用が5.17億ドルなどとなっている。事前に予告されていたとおり、原価及び費用が急増しているが、これはOculusと人工知能研究への投資によるものだ。これらの投資は数年後にも大きな配当を生むだろう。
2014年の1年を通してみると、Facebookの売上は124.7億ドル、対前年比58%の成長となった。1日あたりユーザーは18%アップして7億5700万人、総ユーザー数は12.3億人から13%アップした。
第4四半期にFacebookはニュースフィードの質の向上に特に力を入れた。またビデオ・コンテンツの拡充にも努力し、ビデオの再生回数が大幅に伸びた。
Facebookは最近、エンタープライズ向けのプライベートSNSとしてFacebook At Workを発表している。ただしこれに基づく売上はまだ計上されていない。
Facebookの広告効果測定ツールのデータによれば、ユーザー1人あたりの広告売上が大幅に伸びていることが注目される。アメリカとカナダにおけるFacebookのユーザー数は2億400万人から2億600へとわずか0.97%の増加だが、ユーザーあたり平均広告売上は6.64ドルから8.26ドルへ24%もアップした。
今回の決算を検討すると、Facebookは「モバイル優先」というより、むしろ「モバイル専門」のビジネスになりつつあるという印象を受ける。5億人以上のユーザーがモバイル・デバイスのみからFacebookを利用している。その多くは途上国のフィーチャーフォン・ユーザーだ。今後のFacebookの課題は、こうした相対的に購買力の低いユーザーからどのようにして売上を得るかにある。これに成功すれば「世界を結びつける」というFacebookの使命は同時に極めて有利なビジネスとなるに違いない。
〔日本版〕Facebookの売上、利益の経年推移を示すインフォグラフィックスは原文参照。
[原文へ]
(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)