Facebookは、そのプラットフォーム上で盛んに行われている偽の商品レビューの売買を一掃できていないと消費者団体Which?の調査が明らかにした。
6月にFacebookとeBayは、英国競争市場庁(CMA)から、偽の商品レビュー記事の販売にもっと真剣に取り組むべきだとの警告を受けた。eBayでは、業者が現金と引き換えに、5つ星の商品レビュー記事を大量に提供していた。一方、Facebookのプラットフォームでは、業者が複数のFacebookグループを運営し、商品や現金(またはその両方)と引き換えに偽のレビュー記事を書くライターを募集していた。
Which?によるこの2つのプラットフォームの追跡調査では、5つ星レビューの販売数がeBayでは「劇的に改善」され、CMAの介入後、発見された5つ星レビュー記事の掲載数は1件にまで減ったことが判明した。
しかし、Facebookグループでの偽レビュー販売の予防に関してはほとんど手つかずの状態だ。Which?は、「今なお購買意欲を煽るレビューの執筆を大規模に奨励している」と彼らが指摘するFacebookグループを数十件見つけている。
下の画像は、私たちがFacebookグループを10秒間検索しただけで発見した広告の実例だ(アメリカのレビュー執筆者を求めていた複数の広告の中のひとつ)。
Which?によれば、偽レビューを取り扱うわずか9つのFacebookページで、7月に5万5000件を超える新規投稿を発見したという。つまり、1日に数百の「または数千にものぼる」投稿が生成されていることになる。
Facebookは投稿数を1万件に制限しているため、実際にはもっと数は多いと同団体は指摘している(10グループのうち3つは上限に達していた)。
Which?はまた、偽レビューを売買しているFacebookグループは、30日間にメンバー数が急増していることも突き止めた。そして、「わずか数分の間に疑わしいグループが数十件、怖くなるほど簡単に見つけられる」という。
私たちも、Facebookのプラットフォームを軽く検索してみたところ、商品レビューを募集するグループがいくつも見つかった。
Which?は、10のグループを詳細に調べた(グループ名は公表されていない)が、そのすべてのグループ名に「Amazon」という文字が入っていた。そしてそのすべてが、30日間にメンバーを増やしている。中には急激に増やしているものもあった。
「ひとつのFacebookグループは、30日間にメンバー数を3倍に増やし、また別のグループ(2018年4月に開始された)はメンバーを倍増させて5000人以上に増加した」と同団体は書いている。「あるグループは、1カ月間に4300人が参加し1万人を超えた。2017年4月から存在しているにも関わらず、75パーセントの増加率だ)。
Which?は、Facebookグループのこのメンバー数の急増は、eBayが偽レビュー業者を彼らのプラットフォームから閉め出したための直接の結果ではないかと見ている。
「総計で10件の(Facebook)グループは、8月だけで10万5669人という驚異的な数にまでメンバーを増やしている。そのわずか30日前は8万5647人だったので、19%近く増加したことがわかる」
これら10グループからは、1日に3500件以上もの、購買心を煽るレビュー記事が3500件以上も投稿されていると同団体は話している。またWhich?は、それらのグループに、Facebookのアルゴリズムが「おすすめ」として提示する同類のグループは、偽レビューを売買しているように思えるグループだったとも言っている。
さらに、これらのグループの管理者は同類の別のグループにも参加していて、オリジナルのグループが閉鎖されたときに移れるようにしているという。
Which?の製品およびサービス部門の責任者Natalie Hitchins(ナタリー・ヒチンズ)氏は「私たちの最新の調査は、プラットフォームで今なお偽レビューグループをはびこらせ、毎日何千件もの投稿を許している現状に、Facebookは組織的な対策を行っていないことを示しています」と話している。
「同社がこのまま、人々を騙す不誠実なレビュー記事によってことさら宣伝される粗悪な、または危険な製品を消費者に晒し続けているのは、とても憂慮すべきことです。Facebookは、報告されたグループへの対処のみならず、そうしたグループを積極的に特定して閉鎖し、今後そのようなものが現れないよう対策を行うべきです」。
「CMAは、インターネットで騙されないよう人々を守るための強制的な行動を今すぐ検討しなければなりません。Which?はこの事態をつぶさに観察し、このような偽レビューグループを追放できるよう圧力をかけてゆきます」と彼女は言い加えた。
声明の中でWhich?の調査について報告しつつ、CMAシニアディレクターであるGeorge Lusty(ジョージ・ラスティー)氏はこう話した。「偽レビューを売り込むFacebookグループの再発は、許しがたいことです。Facebookは即座にこれらの情報を削除し、二度と現れないように効果的な対策を取らなければなりません」
「これは始まりに過ぎません。私たちは、インターネット上の、人々を騙す偽レビューとの戦いを強めてゆきます」と彼は話す。「私たちの多くは、ネットショッピングで何を買おうか選ぶときに、レビューを頼りにしています。それが本物たと信頼できることは、とても重要です。誰かが金をもらって書いたものではいけません」。
Facebookは声明を出し、Which?が報告した10件のグループのうち9件は排除したこと、そして「残りのグループも調査中」であることを主張した。
「私たちは、偽レビューを助長または促進する道具としてFacebookを使うことは許しません」とFacebookは述べている。「私たちは今後も、こうした不正を積極的に防止できるよう、ツールを改良してまいります。これには、技術への投資と、安全とセキュリティーを担当するチームを3万人体制にする対策も含まれています」。
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(翻訳:金井哲夫)