Facebookは人々に、グループ会社のInstagram、WhatsApp、Oculusなどをもっと知ってもらいたいと同時に、Facebookのメインアプリのアイデンティティーも独自に確立したいと思っている。そこで米国時間11月4日、Facebookはアプリとは別に会社としての新しいロゴを発表した。社名はすべて大文字になり、シフトするカラースキームはInstagramのパープルグラデーションとWhatsAppのグリーンの色合いを表している。
「近いうちに、当社のグループ製品や宣伝資料に新しいブランドを使い始める。公式ウェブサイトも同様」とFacebookのCMOであるAntonio Lucio(アントニオ・ルシオ)氏は書いた。例えば、Instagramのログイン画面の下端には「from FACEBOOK」のブランディングが表示される。これまでFacebookは、ブルーとホワイトあるいは白抜きで小文字の「f」をロゴに使用していた。
会社全体を包括する別のネーミングも考えたとルシオ氏は言った。「あらゆる選択肢を考えたが、社名を維持することが重要だという結論に達した。これまでずっと、そしてこれからも我々はFacebookであり続ける。我々が体現するもの、我々が下す決断、人々に対する我々の責任、そしてブランド間の関係を維持していくためには、名前を変えないことが重要だった」。実際、象徴である名前を変えていたら、会社が問題のある過去を消しさろうとしていると思われたかもしれない。
Facebookは去る6月からリブランディングのプロセスを始めていて、グループ会社のアプリに「from Facebook」のキャッチフレーズを付加した。The Informationによると、Facebook CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、FacebookがInsagramやWhatsAppを所有していることの功績に対する世間の評価に満足していないようだ。
ザッカーバーグ氏は今月の決算会見でも、同社への反トラスト捜査によって傘下企業が分割させられるのではないかとの質問に対してその感情を顕にした。5000万ユーザー以下だったInstagramを現在の10億ユーザーの会社に変えたのは、スパム対策、国際化、広告などにFacebookのリソースを使ったからだと同氏は強調した。
Facebookは機先を制して反トラスト捜査に対する防御に出ていると見る向きもある。リブランディングだけでなく、同社はFacebook Messenger、WhatsApp、Instagram Directを相互乗り入れ可能な統合暗号化メッセージングシステムにして、ユーザーがアプリ間でチャットできるようにしようとしている。集中化された基盤上にシステムを構築すればFacebookの分割はより困難になる。
一連のリブランディング行動は、尊大であり下手なやり方だという見方もある。「Facebookのグループ会社にInstagramやWhatsAppがいることをほとんどの人が知らない」という事実に助けられている可能性もあるからだ。Pewの最近の調査によると、両社がFacebookの子会社であることを知っていた米国人はわずか29%だった。
Facebookがデータ漏洩や選挙介入などのスキャンダルにまみれていることを考えると、Instagramを使うことで汚染されずにすむと人々が思ってくれたほうが恐らく得策だ。
Facebookは、中央集権的な会社を作るためなら、グループ会社の若きアプリたちの信用を損なってもいいと思っているようだ。FacebookがAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏とWill Cathcart(ウィル・キャスカート)氏という忠実な副官たちをInstagramとWhatsAppにそれぞれ差し向けて以来、買収された企業の自主性は薄まっている。
Facebookにとって、政府の規制より大きな問題はなにか?もし現在あるいは将来の有能な人材が、Facebookは子会社の可能性を抑制していると考えるようになれば、トップクラスの人たちはこのソーシャルネットワークファミリーの一族になりたいとも居続けたいとも思わなくなる。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )