1年前、Facebookは2019 F8デベロッパーカンファレンスで、同社の人気コミュニケーションアプリであるMessengerのデスクトップアプリを提供する計画を発表した。あれから1年たらずたった今、MessengerのmacOS用アプリが公開されはじめた。米国ではまだだが、Messenger for Macはすでに米国以外の一部のMac App Storeに登場している。
TechCrunchはFacebookに、これが米国を含む全世界展開の前兆であるかを尋ねた。同社の広報担当者は、これはまだ完成版ではないと回答した。
「当社はmacOS用Messengeアプリの小規模なテストを一部の市場で実施している」と担当者は答えた。「今はまだユーザーのフィードバックを集めている段階であり、公開時期は決まっていない」。
9to5MacとiPhone Hacksがアプリの公開をいち早く報じ、フランスのテック系ニュースサイトであるMacGenerationの記事を参照した。興味のある人は直接フランスのMac App Storeに行けば自分で確認することもできる。
TechCrunchはMessengerがほかのいくつかの市場にも届いていることを確認した。メキシコ、ポーランド、オーストラリアなどだ(ほかにもあるかもしれない。本誌はまだ世界中のMac App Storeのリンクをクリックして一つひとつ確認したわけではない)。
デスクトップ版のMessengerアプリは、モバイルアプリとほぼ同じ機能をもち、テキスト以外に音声あるいはビデオのチャットもある。グループのチャット、通話、ビデオチャットも可能だ。ファイルの共有やエモジによるリアクション、反射を避けるためのダークテーマなども、モバイルアプリと同様に利用できる。
アプリの開発に使用されているのはElectronで、Catalystではない。Electronはウェブアプリからデスクトップアプリを作る方法としてよく使われているが、セキュリティー面ではさまざまな意味で堅牢とはいえない。
Mac版アプリの発表は、FacebookがiOS向けにスリム化されて高速になったMessengerアプリを公開した直後のことだった。新しいモバイルアプリは「発見」(Discover)セクションを廃止してインターフェースを簡素化し、Messenger体験をビジネスやアプリではなく、人々やストーリーに改めて方向づけした。
最近Facebookは、コロナウィルス流行を考慮して今年のF8カンファレンスの中止を発表した。これは、もっと待たなければ見ることのなかったニュースや新発表をFacebookから聞けるという意味かもしれない。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )