Facebookはこのところ、米国を分断させていると批判されてきたが、今は米国とその南側の隣国との結びつきを強めるのを手伝おうとしているようだ。米国、メキシコのユーザー向けのFacebook Messengerで英語ースペイン語自動翻訳機能を提供する。2国の国境で移民親子の引き離しが行われている中でのこの発表は、まったくタイムリーといえる。
この機能では国境や言葉の違いを超えて2国の間で展開されている付き合いやビジネス、議論を容易にする。これは、自社で翻訳したりせずにMessengerを使ってビジネスのやりとりをしようとしている米国の企業にとっては特に有効なものになるだろう。
Facebookは「米国のFacebook Marketplaceユーザー向けのMessengerでAI機能を使った翻訳機能のテストを4月に展開したが、その結果に大変満足している」とした。
ユーザーがデフォルト設定しているもの以外の言語でメッセージを受け取った場合、MessengerのAIアシスタントMが翻訳して欲しいかどうかを聞いてくる。今後スレッドの全てのメッセージは、ユーザーが機能をオフにしない限り自動的に翻訳される。Facebookはこの機能の対象言語を拡大し、他の国でも間もなく展開する予定だ。
Facebookの広報担当者は「この機能の最終目的は、これがなければコミュニケーションを取ることはできなかった、というコミュニケーションを自然でシームレスなやり方で可能にすること」と話した。
Facebookはニュースフィード投稿やコメントの翻訳機能を2011年から提供してきた。何年もの間、MicrosoftのBingの翻訳機能に頼ってきたが、2016年半ばに自社での展開に切り替えた。それまでの間に、ユーザー8億人の20億ものテキストを毎日翻訳してきた。
しかし、会話の翻訳というのはソーシャルメディアへの投稿の翻訳より難しい。友達と話すとき、その言葉は口語でスラングもたくさん混ざる。また、タイピングするときは急いでいることが多く、結果としてミスタイプも多かったりする。しかしもしFacebookが我々の言うことをしっかりと理解できたなら、Messengerは現代のBabel Fish(編集部注:機械翻訳するウェブアプリ)となるだろう。2016年の開発者会議F8でFacebookのCEOマーク・ザッカーバーグは「壁を築く代わりに、橋をかけることはできる」とドナルド・トランプの発言を批判した。トランプはまだ壁は築いておらず、ザッカーバーグはいまテクノロジーを使って橋をかけようとしている。
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(翻訳:Mizoguchi)