MozillaのFirefoxブラウザが今日(米国時間6/2)リリースのv38.0.5から、簡易ブックマーキングサービスPocketを最初から統合する。またリーダーモードでは、AppleのSafariのリーダーモードや、人気のエクステンションReadabilityとブックマークレットに似た、読むことに集中できるリードモードが提供される。
MozillaがPocketのようなサードパーティサービスを統合するのはきわめて異例だから、Firefoxユーザ、中でもとくにリーディングリストをよく使っていた人にとっては驚きだろう。その機能は今では削除され、結果的に、プロプライエタリなサービスが優遇されている。
PocketはMozillaのFirefox Accountsを統合して新たなアカウントを作り、ユーザを登録する。そしてPocketのボタンがFirefoxのユーザインタフェイスの目立つ位置に鎮座する。そのほかのアドオンやブックマークレットを使いたい人は、Pocketボタンを簡単に隠せる。ただし、もはやアドオンではないから、完全に無効化するのはやや難しい。
これは、Firefoxのユーザを落ち着かない気持にさせるかもしれないが、ユーザ数が一挙に増えるPocketにとっては朗報だ。PocketのファウンダNate Weinerは、”Save”(URLの保存)は機能ではなくプラットホームであるべきと主張しており、ブラウザ本体が内蔵する機能よりも、クラウド上の魅力的なサービスであるべき、と言っている。Mozilla自身がそんなサービスを立ち上げてもよかったのかもしれないが、iOS、Kindle、Android、Windowsなど多様なプラットホームに対応するのはたいへんすぎる、と最初から諦めたのかもしれない。
新しい、集中を削がれないリーディングモードは、誰もが期待するとおりの機能だ。そのほかのブラウザの類似機能と同じく、Webサイトからテキストだけを取り出して表示し、広告やメニューなど、邪魔になる要素を隠す。機能としては、フォントのサイズ指定、フォントスタイル(セリフ/サンセリフ)の切り替え、背景の暗色明色の切り替えなどがある。そのリードビューでも、Pocketのボタンが目立っている。
そのほかの新しい機能は、MozillaのWebRTCベースのビデオチャットツールFirefox Helloにおける、画面共有ぐらいだ。