今日(米国時間6/25)、MozillはFirefox 22をリリースした。これはWebRTCプロトコルとasm.js JavaScriptサブセットをサポートする最初の安定版Firefoxだ。
Microsoftの場合を除けば、現在、ブラウザのアップデートは日常的ルーチンになっている。しかし今回のWebRTCとasm.jsの追加は今後のウェブアプリの開発のあり方を大きく変える可能性がある。当面Firefoxをターゲットにしていないデベロッパーもこの変化には注目しておく必要があるだろう。
ビルトインWebRTCのサポート
デベロッパーはWebRTCを利用してビデオチャットや音声通話、ファイル共有などの機能をビルトインしたアプリを開発することができる。サードパーティのプラグインやソフトウェアを組み込む必要はない。Tokboxを始め多くの企業がWebRTCに社運を掛けている。しかし現在までWebRTCをサポートする有力ブラウザはGoogle Chromeだけだった。今回Firefox安定版がWebRTCをサポートしたことでスタートアップも既存大企業もこぞってこのテクノロジーの利用を始めるだろう。今のところMicrosoftだけがWebRTCとは異なる規格の採用を決めているが、将来Internet ExplorerにもWebRTCが採用される可能性は大いにある。
asm.js
asm.jsもゲームのルールを変える可能性のある重要なテクノロジーだ。われわれが3月の記事で詳しく紹介したとおり、asm.jsはJavaScriptのサブセットで、ウェブブラウザ内でネーティブアプリに匹敵する高速で作動する。MozillaのCTO、BrendanEichは私の取材に対して、「メモリが安全ではないC、 C++のような言語に対して安全なバーチャルマシンを構成できるJavaScript言語のサブセットだ」と説明した。EmscriptenのようなC and C++をasm.js向けにコンパイルできるツールのおかげで、デベロッパーは既存のC、C++プログラムをブラウザ内で安全に作動させることができるようになる。
この新機能はMozillaのBananaBreadゲーム・デモで試すことができる。このデモにはWebGL、Emscripten、asm.js、WebRTCが使われており、ハイエンドの3Dマルチプレイヤー・ゲームをブラウザ内で高速に作動させることができることを証明している。
その他Firexfox 22ではWebGLのレンダリングのパフォーマンスの向上などいくつかのマイナー・アップデートがある。詳細なリリースノートはこちら。
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)