Foveは、企業ブログのお知らせで、視線追跡VRヘッドセットの最新設計を公開した。Disrupt SF Battlefield 2014出身の同社は、2016年秋にこのヘッドセットをKickstarterの出資者宛に発送予定だとしている。
今回のヘッドセットは、Kickstarter用の弱々しげなプロトタイプから大幅に変化しているが、これはヘッドセットの重量を削減しながら丈夫さを改善しようとする努力によって成し遂げられたものである。同社はさらに、デザインを控えめにすることで生産効率が高まるとしている。
OculusやHTCと競合する高品質なHMDを製造しようとする小規模なスタートアップにとって、生産過程というのは難しい部分である。部品調達段階での遅れにより、同社は予定配達時期を2016年春から2016年秋へと延期せざるを得なかった。おそらく、より重大なのは、 Foveが独自システムを採用するために、HTC Viveの位置追跡機能をサポートするValveのLighthouseシステムとの統合を行わないと発表したことだろう。
このヘッドセットがほかのフェイスコンピュータと異なるのは、これがユーザーの視線をモニタリングする視線追跡センサを機体に直接統合した初のVRヘッドセットであるということだ。この技術により、ユーザーがインターフェイスを操作する方法を改善できるほか、ゲームのプレイ感やヘッドセットによるコミュニケーションをも変化させる可能性がある。
将来的には、ディスプレイが被写界深度のシミュレーションを行い、ユーザーの視線の中央部分にのみ最高解像度の画像を表示し続ける技術である中心窩適応レンダリングという方法によって、視線追跡によって信じられないほど高解像度のヘッドセットの性能が向上することになるだろう。
視線追跡は、多くの業界人によって次世代のハイエンドヘッドセットの主要な機能になると考えられている。したがって、Foveがこの特別な機能を持った唯一のVRプレイヤーである期間はそれほど長くはないかもしれない。視線追跡技術の老舗であるSMIは、すでにHTC Vive向けの視線追跡開発キットを公開しているし、ほかにもTobiiやEyefluenceなどの視線追跡関連企業が次世代デバイスの開発に関してVRヘッドセットメーカーとの提携を発表している。
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(翻訳:Nakabayashi)