2010年4月からインキュベーションプログラムを運営しているデジタルガレージグループの老舗インキュベーター、Open Network Lab(Onlab)。
彼らの手がける「Seed Accelerator Program」はこれまで10期までを開催。フリマアプリブームの火付け役でもある「Fril」を手がけるFablicや電動モビリティを手がけるWHILL、米国で福利厚生サービスを提供するAnyPerkなど、58のスタートアップが参加してきた。もちろんクローズしたサービスだってあるのだけれど、卒業企業の時価総額は合計で325億円程度に上るのだそうだ。
プログラムの担当者が変わった背景があるのかは分からないが(前任の前田紘典氏は現在BEENOSでインキュベーションを手がけている)、最近ではデモデイを除いてプログラム参加企業すらほとんど公開しないで活動していたOnlab。本日募集を開始した第11期からはプログラムの内容拡充を図っていくという。
まず、これまで一律で200万円(持ち分5%)で提供してきたシードマネーを1000万円まで拡大。金額やバリュエーションについてはスタートアップの状況によって柔軟に検討するという。このあたりはインキュベーターも増えてきたし、200万円という少額のシードマネーを求めるスタートアップが減ったことなども背景にあるのだろう。
また、不定期に開催していたデジタルガレージグループの投資先など、国内外の識者によるメンタリングを隔週ペースでは開催。さらにデジタルガレージグループで展開するマーケティングやペイメントといった事業の具体的な支援を進めていく。さらに投資先やグループ会社のツール——プロトタイピングツールの「Prott」や情報共有ツールの「Qiita Team」——のほか、アプリ解析の「Mixpanel」など6つのツールを無償もしくは特別価格で提供するうそうだ。
プログラムへの応募には、創業年数などの条件は特に定めない。Onlab代表取締役社長の佐々木智也氏は、「プログラムを立ち上げた頃から変わっていないのは、『ネットを活用して課題を解決したいという人たちを支援したい』ということ。プロダクトありきではなく、課題解決の意志があるかどうか」と語っている。