サムスンのUnpackedイベントでは、5つの主要な新しいデバイスが発表されたが、Galaxy Tab S7シリーズはそれほど注目されていなかった。Galaxy Noteシリーズのようなスター性はないし、新しい折り畳み式やBluetoothイヤホンのような目新しさもないので当然かもしれない。一般的にタブレットは、かつてのように刺激的なプロダクトではないのだ。
しかし、サムスンはタブレット端末を相変わらず作り続けている。同社が多くの種類のタブレット端末を作っているのは、もちろん需要があるからだろう。それぞれが異なる価格でターゲットとする顧客層を持っているとはいえ、なぜこれほど多くの種類を作れるのか不思議だが。その中でGalaxy Tabシリーズは、常に注目すべき製品であり、Galaxyシリーズを補完するためにデザインされたプレミアムなタブレット体験を提供している。
実際のところAndroidタブレットの大部分が低価格端末に属するが、サムスンは依然としてiPadと真っ向から勝負できる端末を製造している数少ないメーカーの1つだ。なお、最新モデルにはいくつかの重要な機能があるが、今回送られてきたレビューユニットのGalaxy Tab S 7+では使えないので、またの機会に紹介する。
さて、このデバイスは、5G接続に対応する最初のタブレットの1つだ。価格や発売時期はまだ未定だが、正直なところ多くの人が自宅で仕事を続ける現状では、タブレット端末にモバイル接続を求める需要はそれほど多くないだろう。新型コロナウイルスが終息して旅行などが再開したときには、また別の話になるかもしれないが。
とはいえ、サムスンがUnpackedイベントの直後に送ってきたモデルはまさに野獣ともいえるスペックだ。価格は849ドル(約9万円)からで、上位モデルはメモリーが6GBから8GB、ストレージが128GBから256GBにアップ。そして、最先端のSnapdragon 865+を搭載する非常に高性能なマシンに仕上がっている。
デザインも、このプレミアムなスペックにマッチしている。初期モデルのようなプラスチックではなく、光沢があり頑丈なガラスとアルミニウムのデザインに変更されており、価格に違わぬプレミアムな外観だ。重さは、12.4インチモデルは1.26ポンド(約570g)。少し重いが、12.9インチのiPad Proは1.41ポンド(約640g)なのでiPad Proよりは軽い。要するにこれらのデバイスは、ベッドに横たわっているときに顔の上に持ち上げやすいようには設計されていないということだ。
もちろん、これらは本当のマルチタスクの仕事用マシン、ホビーマシンとして意識して設計されている。私は仕事ではタブレット端末ではなくノートPCを使って原稿を書く派だが、このカテゴリーが近年進歩していることは評価している。また、Androidデバイスであれ、Surfaceであれ、iPadであれ、職場のPCとタブレットを交換することに成功している人を何人か知っている。
タブレット端末を仕事用マシンとして評価する際に重要になるのが純正ケースだろう。サムスンはこのケースをいくつかの点で改善している。タイピング性能についてはノートPCの専用キーボードには及ばないが、かなり洗練されている。カバーに内蔵されているバネの影響もあり、キーには適度なストロークがある。レザーケースは2つに分かれているので、キーボードがなくてもスタンドとしても使える。もちろん、この種のケースのトレードオフとして、カバーを外さないと膝の上では使いづらいという欠点はある。
そして、サムスンのタブレット端末といえばS Penだ。Galaxy Tab S7シリーズにはスタイラス用のスロットは用意されていないが、S Penはもちろん付属しており、少し弱いがデバイスの上部に磁気で吸着する。同社はこのS Penのための小さなエコシステムを着実に作り上げており、私の読みにくい筆跡を認識して変換してくれることに感心する。まじめな話、私のすでにひどい字の書き方は、時間の経過とともに衰えるばかりだ。
120Hzのリフレッシュレートを備える美しいOLEDディスプレイもポイントだ。ただし、作業内容によってはバッテリーを節約するために切り替えが必要になるかもしれない。バッテリー容量は、8000mAhと10900mAhでどちらのモデルも十分な容量を備えている。5Gモデルは間違いなくヒットすると思う。
そして、サムスンはDeXをこれまで以上に強く推進しているようだ。キーボードを接続したときにデスクトップ風の画面に自動的に切り替わるように設定できる。インターフェースもWindowsのデスクトップ体験に近いものを目指しているが、多くのアプリはまだDeXをサポートしておらず、全体的にまだぎこちない。マルチタスク機能などを改善する方法であれば容易に想像できるが、それがすべてではないだろう。
画像クレジット:Brian Heater
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(翻訳:TechCrunch Japan)