GMがアップグレードした自動運転支援システムSuper Cruiseを2022年に6車種に搭載へ

GM(ゼネラル・モーターズ)は自動の走行レーン変更やの牽引サポートなど3つの大きなアップグレードをハンズフリー自動運転支援システムSuper Cruiseに加え、2022年に発売するGMC Hummer EVを含む6車種で利用できるようにする。

GMは2017年の導入以来、着実にSuper Cruiseを改良してきた一方で、ここ何年も同社のラグジュアリーなブランドCadillacへの搭載に限定してきた。機能改良と搭載車両の追加は、ChevroletとGMCブランドのピックアップトラックの所有者にテクノロジーを使って機能を販売する同社の意欲、そしておそらく準備が整ったことを示している。

GMがSuper Cruiseを立ち上げたとき、利用できたのはCadillacのフルサイズのCT6セダンのみで、使用は中央分離帯のある高速道路に限定されていた。それは同社がSuper Cruiseの提供を拡大すると発表した2019年から変わり始めた。そしていま、Super Cruiseは米国の長さにして20万マイル(約32万km)超の道路で利用できる。

そしてGMはさらに拡大する計画だ。2023年までに同社は今後発売するEV、Cadillac LyriqやGMC Hummer SUVを含む22種の車両にSuper Cruiseを搭載することを目指している。

同社は米国時間7月23日、ドライバーの介入なしに作動する自動レーン変更機能をSuper Cruiseに加えると明らかにした。改良されたSuper Cruiseのこの機能は、2022 Cadillac Escalade、Cadillac CT4、Cadillac CT5、Chevrolet Silverado、GMC Hummer EV Pickup、GMC Sierraで利用できるようになる見込みだ。同社はまた、ドライバーがボートやキャンピングカーを牽引しながらハンズフリーアシスタンスシステムを利用できるようにする新機能も開発し、導入する。この牽引機能は牽引能力を持つ2022年モデルの車両でのみ提供される。そしてSuper Cruiseが使える高速道路をドライバーに示す車載ナビゲーションをアップデートした。

Super CruiseはLiDARマップデータ、高精度GPS、カメラ、レーダーセンダー、そしてハンドルを握っている人が注意を払っていることを確認するドライバーアテンションシステムで構成される。TeslaのAutopilotドライバーアシストシステムと異なり、Super Cruiseのユーザーはハンドルに手を置く必要はない。だが、視線は進行方向に向けている必要がある。

Super Cruiseの自動車線変更機能ではドライバーは道路を見ておかなければならない。システムがオンのとき、ドライバーは車線を変更する意思を示すためにウィンカーを操作しなくてもいい。代わりにシステムがドライバーに知らせ後に車線を変更する。システムはゆっくり走る車両を追い越すのにも他のレーンを使う。

関連記事:GMがハンズフリー運転支援システムのSuper Cruiseに車線変更機能を追加

ボートやキャンピングカー、トレイラーを牽引するときはドライバーが介入する自動レーン変更がデフォルトとなる。

こうしたアップデートのすべてはVIP(vehicle intelligent platform)というGMの新しいデジタル車両プラットフォームで可能になっている。VIPはこれまで以上の帯域幅とデータ処理力を提供し、エンジニアがSuper Cruiseの能力に追加できるようにしている。VIP電動アーキテクチャを備えた車両は無線ソフトウェアアップデート経由でSuper Cruiseに機能を加えることが可能だ。つまり、一部の2021年モデル、具体的にはCadillac Escaladeはこうしたアップデートを取り込める。

VIPを搭載していないために、2022年Chevrolet Bolt EUVなどいくつかの車両はSuper Cruiseの異なるバージョンを持っている。結果として、Bolt EUVはこうしたアップデートは受けられない。

関連記事
GMが3モデル目の電動ピックアップトラックを開発中、GMCラインナップに追加
GMが商用EV向けのフリート充電サービスを開始、自宅での充電も支援
GMがカリフォルニアでのリチウム抽出プロジェクトに投資、優先権を獲得

カテゴリー:モビリティ
タグ:GM自動運転Super Cruise

画像クレジット:GM

原文へ

(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。