GMがコルベットのエンジニアリングチームをEVと自動運転に配置換え、オール電化の未来にコミット

GM(ゼネラル・モーターズ)は、ミッドエンジンのChevrolet Corvette(シボレー・コルベット)を担当するエンジニアリングチームを同社の電気自動車および自動運転プログラムの研究・開発部門に移動させたことを明らかになった。「将来のEVバッテリーシステムとコンポーネントが提供できるものについて『限界を押し広げる』ことを目的としている」と社内のメモには書かれている。

GMのグローバル製品開発・購買・サプライチェーンを担当するエグゼクティブ・バイス・プレジデントのDoug Parks(ダグ・パークス)氏が社内に送ったメモによると「コルベットのチームは、自動車メーカーのグローバル製品チームから、Ken Morris(ケン・モリス)氏が率いる自律・電気自動車プログラムに移る」と発表された。メモによると、この異動は9月1日に発効するという。この変更はInsideEVsが最初に報じた。

「GMはオール電化の未来にコミットしています。スーパーカーの性能、デザイン、達成可能性を再定義したチームを重要な役割に配置し、同じ高水準のEVの統合と実行を支援することに興奮しています」とモリス氏は電子メールでの声明で語った。

そのメモの中でパークス氏は、今回の異動は「このすでにダイナミックなチームが、将来のEVバッテリーシステムとコンポーネントが、顧客に興奮とスリリングなパフォーマンスを提供する際に、何を提供できるのかという境界線をさらに押し広げるのに役立つだろう」と述べている。コルベットチームは、ミッドエンジンのコルベットを発売して世界的に高い評価を受け、自動車の歴史の中で最も多くの賞を受賞した車の1つとなったことで、顧客や評論家を喜ばせることに精通しています」と続ける。

今回の交代でコルベットチーム全体が混乱することはない。Tadge Juechter(タッジ・ジュエヒター)氏は引き続きグローバル・コルベットのエグゼクティブ・チーフ・エンジニアとして、新モデルが市場に投入される際にもチームを率いていく。コルベットのチーフエンジニアであるEd Piatek(エド・ピアテック)氏は「将来の製品」のチーフエンジニアに就任するが、引き続きレポートライン、つまり直接の上司はタッジ氏となる。メモによると、ピアテック氏はこの新しい役割の下、組織全体で将来のEVプログラムに取り組むことになるという。ピアテック氏の後任としては、コルベットのプログラム・エンジニアリング・マネージャーを務めてきたJosh Holder(ジョシュ・ホルダー)氏がグローバル・コルベットのチーフエンジニアに昇格する。

今回の組織変更は、GMが電気自動車や自動運転車技術への投資を相次いで発表したことを受けてのもの。1月には、デトロイト・ハムトラムクの組立工場に22億ドル(約2300億円)を投資し、全電動トラックとSUVを生産し、子会社のCruise(クルーズ)が発表した自動運転車も生産すると発表した。GMは、新型電気トラックの発売に関連して、サプライヤーのツーリングやその他のプロジェクトに8億ドル(約843億円)を追加投資する。

GMはこの新しいプログラムを、2021年後半に生産を開始する全電動ピックアップトラックでキックオフする。また、ライドシェアリング用に設計された電動自走シャトルであるCruise Origin(クルーズ・オリジン)は、デトロイト地区の工場で生産を開始する2台目の車両となる。先月、GMは2023年までに20台の電気自動車を納入する予定であると発表したが、そのほとんどはUltium(ウルティウム)呼ばれる同社の新しいモジュール式EVアーキテクチャを採用する予定だ。

GMはすでに約300万平方フィート(27万8700平方m)の工場を建設中で、今後3年以内に電気自動車を市場に投入するという同社の戦略の要となる、Ultium電池セルとパックを大量生産する予定だ。オハイオ州ロードスタウンのUltium Cells工場の電池セル製造施設は、12月に発表されたGMとLG化学の合弁事業の一部だ。

画像クレジット:GM

原文へ

(翻訳:TechCrunch Japan)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。