Googleは近年、中国でその存在感を高めつつあるが、さらに強化する。中国eコマースの大手JD.comと戦略的提携を結ぶことに合意し、JD.comの株式5億5000万ドル分を購入する。
Googleは中国での投資を続けている。中国マーケットに商品を投入し、AIハブを含むオフィスを開設した。そしていま、JD.comと共同で主に中国以外のマーケットで事業を展開しようとしている。GoogleとJD.comの共同リリースによると、2社は欧州、米国、東南アジアで“小売ソリューションの共同開発を含む、幅広い戦略的取り組みを共同で展開する”としている。
JD.comは人間の代わりにロボットを使った倉庫を中国で展開しているが、同社のサプライチェーンとロジスティック分野における経験、そしてテクノロジーを、Googleのオンライン小売を展開する上での顧客へのアプローチ力やデータ、マーケティングなどと融合させるのが最終目的となる。
手始めに2社は、JD.comの商品をGoogleの世界中の買い物プラットフォームで展開する。もちろん、2社が次のコラボの青写真を描いているのは明らかだ。
NASDAQでの株価に基づくと、JD.comの時価総額は約600億ドルだ。JD.comはウォルマートなどと提携していて、倉庫のオートメーション化技術やドローン、他の次世代小売ロジスティックに積極的に投資している。
配信プラットフォームのGoogleがJD.comのようなサービスプロバイダーを支援するという動きは興味深い。というのも、検索と広告を手がけるこの会社はすでに、JD.comのライバルであるアリババを含むさまざまなeコマース企業と提携しているからだ。
JD.com、そして時価総額5000億ドルのインターネット巨大企業Tencentと関係を築いたことは、Googleの今を象徴している。この3企業は、東南アジアのライドシェアリング新興企業Go-Jekに出資している。その一方でTencentとGoogleは先ごろ、特許シェアリング提携に調印しており、中国のAIスタートアップXtalPiへの共同投資も行なっている。
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(翻訳:Mizoguchi)