Google、機械学習を利用した「ふきだしズーム」を公開―Play Booksのコミックが読みやすくなった

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たいていの人はまだ紙の印刷物でコミックを読んでいる。しかし『ジャスティス・リーグ』を読むのにスマートフォンやタブレットを使う読者も増えている。

昨年GoogleはAndroidのPlay Booksストアのコミックの表示をアップデートしてストーリーを追いやすくした。今日(米国時間7/21)、Googleはコミックのユーザー体験をさらに改良した。今回のアップデートはセリフのふきだしの表示を拡大して小さな画面での可読性を高めるというものだ。

GoogleのPlay Booksのプロダクト責任者、Greg Hartrellは私の取材に対して「われわれは前回のアップデートに対してユーザーから寄せられた意見を詳しく調べた。コミックの読者は新しいユーザー体験を歓迎していたが、スマートフォンの小さい画面ではふきだしのセリフが依然として読みにくいという不満が強かった。そこでGoogleではコミックの視覚的体験を損なわずに吹き出しを読みやすくするテクノロジーを開発することにした」と述べた。

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Google PlayチームはGoogleグループ内の機械学習専門家の助けを借りてBubble Zoomを開発した。これはコミックのページを解析し、コマとふきだしの枠線を認識するアルゴリズムだ。この「ふきだしズーム」では、ピンチ&ズームのような煩わしい手間をかけず、簡単にふきだしを拡大表示させることができる(ピンチで拡大した場合、どのコマを見ているのか分からなくなってしまうのが苛立たしかった)。ふきだしを認識できるというのは非常に高度な機械学習で、コミックへの応用としてこれまででベストだろう。

拡大するには画面右側をタップするか音量ボタンを押せばよい〔Play Booksでは画面中央をタップすると「ふきだしズームをオフにできる」という注意が表示される〕。

現在のところ「ふきだしズーム」が有効なのはMarvelとDCのコミックのコレクションだけだ(合計2800冊がGoogleのストアに登録されている。現在このコードを入力すると50%の割引が適用されるSDCC2016〔日本からは利用できないもよう〕)。Hartrellによれば、チームはすでに数百万ページを機械学習させており、将来は他のコミックにもこの機能を拡大する予定だという。また新機能の拡大が比較的ゆっくり行われていることについて、「『われわれは問題を解決した。あらゆるスタイルのコミックを認識できるようになった!』と世界に向かって宣言したいからだ」と述べた。

「ふきだしズーム」は今のところAndroidでのみ利用できる。iOSに新機能が追加される日付は明らかにされていない。Hartrellによれば Googleは当面、Androidでの読書体験の向上に集中していくという。

〔日本版〕「ふきだしズーム」は日本のPlay Booksアプリでも有効になっている。画面右側をタップするとストーリーの順にふきだしが次々に拡大表示される。音量ボタンはダウンで順方向、アップで逆方向にズームの対象が移動する〔機種によって違いがあるかもしれない〕。Googleの機能であるためDCやMarvelのAndroidアプリではサポートされていない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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