Google、歌詞検索の結果ページトップにて歌詞の直接表示を開始

Googleが検索結果ページに歌詞の表示を開始したようだ。曲名に「lyrics」(歌詞)を加えて検索すると直ちに歌詞を確認できるようになったわけだ。azlyrics.comやsonglyrics.comなど、歌詞を登録していて高ランクを獲得しているサイトも多くあるわけだが、そうしたサイトへの誘導件数を減らすことにもなるだろう。マイクロソフトのBingでもこの機能を先行して実現している。これはGoogleのナレッジグラフに対抗する機能を実装した際に実現したものだった。

Googleはナレッジグラフの導入にあわせて、検索結果ページのさらなる進化を試みている。Wikipedia、World CIA Factbook、Freebase、オンラインのイベント情報、さまざまなコマーシャルデータ、そして膨大なウェブ情報などからデータを収集して、効率的に情報を提供しようと試みているのだ。

検索結果に歌詞を直接表示する際、歌詞を表示するスニペットの下には「full lyrics」(歌詞の続きを見る)としてGoogle Playへのリンクが貼られている。Googleは検索でヒットするサードパーティーサイトを表示する前に、自社コンテンツのプロモーションをしていることになるわけだ。

Search Engine Roundtableというブログから、今回の新機能についての情報を得たのだが、そのブログはGoogle+の記事を情報源としている。Googleには本機能の公開についての詳細を尋ねているが、ホリデーシーズンでもあり、なかなか迅速なレスポンスは望みがたいところだ。

但し、数ヶ月前から本機能についてベータテストは行われていた。しかし公になったのはここ数日のことであると思う(Update:アメリカの利用者向けに先週から公開され始めたようだ)。

ちなみに、今のところは歌詞が表示されるのは一部の楽曲にとどまっている様子だ。有名曲や古典ともいえる曲についても歌詞が表示されないケースも多い。現在のところは限定的な歌詞データベースに基づいた運用がなされているのだろう。また、表示されない曲が多いことから考えるに、他サイトからの情報スクレーピングによる運用でないことも想像できる。

歌詞登録サイトはたいてい多くの広告が掲載されている。Googleの機能追加により簡単に歌詞検索ができるようになれば、業界にも大きなインパクトを与えることとなるだろう。これまではさまざまなSEOテクニックを駆使して検索画面での上位表示を成し遂げ、そして多くのトラフィックを取得して広告収入を得ていた。

Pandora、SoundHound、Shazamなどに歌詞をライセンス提供しているLyricFindのCEOであるDarryl Ballantyneは、「SEOテクニックに依存して稼いでいたトラフィックが大幅に減少することとなり、歌詞登録サイトは非常に大きな影響を受けるでしょう」と話している。「但し、単なる歌詞提供のみでなくコミュニティ機能などを提供しているところも多いのです。SongMeaningsやMetrolyricsなどはSEOテクニックのみでトラフィックを得ているわけではなく、これからも成長を続けていくのではないかと考えています」とのこと。

Goolgeが歌詞検索関連で動きを見せるのはこれが初めてのことではない。歌詞の紹介や注釈を行うRap Geniusがダークな「グロースハッキング」を行った際には、同サービスのランクを低下させたこともある。これは結局Rap Genius側の謝罪で幕を引くこととなった。こうした「ランクの低下措置」は、スパム的行為を行う他のサイトにも適用された様子だ。

Update:歌詞検索サービスについてGoogleのスポークスパーソンから返事があった(「天国への階段」の歌詞を使った洒落た回答だ)。

訳注:難解な歌詞ですので、原文のまま紹介いたします。

There’s a feeling you get when you turn to a song and you know that the words have two meanings. Well it’s whispered that now if you go search the tune, maybe Google will lead you to reason. Ooh, it makes you wonder…

訳注:訳者の環境では、歌詞検索の実装を確認できていません。

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(翻訳:Maeda, H