Google、999ドルのビデオ会議システムChromebox For Meetingsをローンチ―近く日本でも発売へ

今日(米国時間2/6)、マウンテンビューの本社でGoogleはプレスカンファレンスを開き、Chromebox for Meetingsというビデオカンファレンス・システムのローンチを発表した

これはASUS製Core i7搭載のChromeboxにリモコン、カメラ、マイクを接続したもので価格は999ドルだ。ビデオ会議のバックエンドにはGoogleハングアウトが用いられている。VidyoUberConference (こちらは電話が使える)など既存のビデオ会議システムの手強いライバルとなりそうだ。

販売されるシステムには、テレビ会議を開くために必要なハードウェアがディスプレイ以外すべて含まれている。最初の1年間はユーザーは999ドル以外にサービスの使用料を支払う必要はない。2年目以降も引き続き利用するには年額250ドルの料金を支払う必要がある。

このプロダクトはアメリカでは本日から発売された。近く日本、オーストラリア、カナダ、フランス、スペイン、イギリスにも導入される。アメリカの場合、企業はCDWを通じて、小売業者はSYNNEXを通じて購入できる。数ヶ月以内にHPとDellもChromebox for meetingsの取り扱いを開始する予定だという。

今日のイベントで、Googleのプロダクト管理担当副社長、Caesar Senguptaは「ビデオ会議のテクノロジーがこれだけ進歩したのに、企業がビデオ会議を実行しようとすると依然ハードルが高い。Googleは社内向けに各種のビデオ会議のソリューションを開発してきた。今回、その一部を外部に提供することにした」と語った。

このシステムはGoogleカレンダーと密接に連携しており、会議スケジュールの作成を助ける。会議室にシステムを設置するとディスプレイにはそのシステムで予約された会議のスケジュールが表示される。設定はChromecastとほぼ同様でUIもよく似ている。

バックエンドにハングアウトを利用しているため、このビデオ会議にはハングアウトがサポートするあらゆるデバイスが利用できる。Chromebox for Meetingsは15種類のビデオ・ストリームのフォーマットをサポートする(ハングアウト自体は10種類)。こうしたビデオストリームはインターネットの公開された部分を通過するので、すべて暗号化されている。

ハードウェアはUSBポートを4つ備えたIntel i7搭載のChromeboxにLogitech HDカメラ(帯域幅に応じて解像度を自動的に調整)、音量調整可能なマイク、リモコン、フルサイズのQWERTYキーボードなどが付属する。Chromeboxの接続には超小型のUSBアダプタが用いられる。

ソフトウェアはできる限りのシンプルさを追求している。会議を始めるにはリモコンを取り上げるだけでよい。パスワードやPINコードを打ち込む必要はない。予約されていない時間であればユーザーはいつでも会議を始めることができる。他の会議の予約時間が来ると、ユーザーはセッションを終了するよう丁重に促される。

他のビデオ会議では新メンバーが参加するたびに大きなピン音で知らされるが、Chromebox for Meetingsでは参加者はデフォールトでミュートされている。誰かが話しはじめるとミュートが解除される。

他の企業向けChromebookシステムと同様、 ChromeboxはChromeOS管理コンソールからリモートで管理できる。

Googleはこのシステムを社内でテストすると同時に、Lytro、Gilt、SoftBank、Yelpをベータテストのパートナーに選んだ。Google側の責任者、Senguptaによれば、「ビデオ会議を頻繁に行うことは離れた場所のチーム間の信頼を増し、企業文化の一体化を促進する」ということだ。

「これまでのビデオ会議システムは高価で設置も複雑過ぎた。そのためビデオ会議を利用できるのはトップクラスの幹部に限られていた。われわれはこのビデオ会議システムが全社的に導入されることを期待している」とGoogleは述べた。このシステムの値段はサンフランシスコ、ニューヨーク間の飛行機のチケットより安いのだから、そういうことになるかもしれない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。