Googleがゲームストリーミングサービスに参入を計画中、とのうわさが出てきました。もし実現すれば、SIEのPlaystation NowやNVIDIAのGeforce Nowといった、同種サービスの強力な対抗馬となるやもしれません。
コードネームは「Yeti」(ヒマラヤ山脈に住むと言われる雪男)で、支払い方式はサブスクリプションベース、つまり利用期間に対して対価を支払うタイプとなる模様。そして、さらに興味深いのは想定ハード。GoogleのサービスなのでChromecast上での動作はもちろんですが、Google製の専用ゲームハードもテスト中と伝えられているためです。
ウワサを報じているのは、WebメディアのThe Information。「プロジェクトを知る複数の人物」がもたらした情報として報じています。
Yetiがサービスするゲームストリーミングとは、ゲームデータの情報を専用のサーバで管理し、ユーザー端末にストリーミング方式でゲームデータを配信するサービスのこと。
技術的にはネットワーク越しでサーバーに接続してゲームを操作するため、原理的に操作遅延が発生しやすく、また常時高速な回線を必要とする(回線速度が落ちるとコマ落ちや遅延が発生する)といったデメリットがありますが、それらは現在じょじょに軽減されている状態。
近年ではSIEのPlaystation NowやNVIDIAのGeforce Nowなどのサービスが開始されており、ゲームビジネスの一角を占めるほどの存在感を示しています。
なお、「ゲームストリーミング」というシステム自体は、自宅にあるゲーミングPCから別のPCなどのデバイスに配信するSteamホームストリーミングやPS4とVitaのリモートプレイもあり、業務用に限った概念ではありません。
業務用ゲームストリーミングサービスは、ゲームを駆動するのがサーバ側であるため、数年に一度の更新で陳腐化しやすいゲーム機のハードに囚われず最新の技術が享受でき、ディスクやダウンロードも必要ないためユーザーは管理の手間がなくなり、セーブデータもクラウドに保管されて「冒険の書は消えてしまいました」の悲劇も消し去られる……といった様々なメリットがあります。
もっともYetiは、「2017年内にサービス開始するはずだった」とされながらも、現状でもまだ開始されていない状態。発言者は遅れた理由を語っておらず、それがゲームストリーミングに付きまとう遅延などの技術的な要因なのか、ないしはビジネス的な採算面での検討なのかは不明であるため、提供時期は確定していないようです。
とはいえ、Googleがゲーム事業を重視しているのは事実。実際に数週間前には、ゲーム業界に数々の実績を残したフィル・ハリソン氏がGoogleに入社しています。
ハリソン氏は初代PlayStation立ち上げ前からすべてのプレイステーション・プラットフォーム戦略に関わり、ソニー退社後は欧州でXbox事業を牽引してきた筋金入りの人物。こうした人物を引き入れているということは、Yetiのみならず、Googleのゲーム専用ハード登場までもある程度の期待が持てるのかもしれません。
Engadget 日本版からの転載。