米国時間1月24日の朝、Googleは検索結果の表示が広告みたいになった、という政治家や消費者やマスコミからの圧倒的な批判を受けて、最近行った検索結果のデザイン変更をさらに変更すると発表した。
検索のユーザーが広告をクリックするとGoogleにお金が入る。誰も広告費を払ってない検索結果をクリックしても、Googleの収入にはならない。そこで、広告をいつもの検索結果のように見せればGoogleの収入は増えるだろう。
しかしそれは、企業としてかなり悪質な、少なくとも不道徳なやり方だ。しかもGoogleは昔から「悪を為すなかれ(Don’t be evil)」を社是として掲げてきた (最近、引っ込めたようだが)。
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ユーザーは先週、検索結果の変化に気づき始め、今週初めにはそれを告げるツイートも登場した。
Google検索の最近のデザイン変更は、何もかも広告みたいで、なんか変だね。
Googleは、何かを意図したが、その結果が逆になってしまったデザイン変更について、奥歯にモノが挟まったような表現で釈明している。
「2019年、モバイルの検索結果を新しいデザインにした。それを今週からはデスクトップの検索結果にも適用して、サイトのドメインネームとブランドのアイコンを目立たせ、広告には太字で「Ad」(広告)のラベルを付けた」。
Mark Warner(マーク・ワーナー)上院議員(民主党・バージニア州)は、大統領弾劾裁判の審理を休んで、The Washington Post紙に、検索の新しいデザインは悪質だ、と語った。
「Googleは最近の数年間で何度もデザイン変更を行い、そのたびに有料の広告と自然な検索結果がますます区別できなくなっている。これは、プラットホームがその独占力を悪用して商業的利益を上げる典型的な例だ。消費者や広告費を出せない小さな企業が、その犠牲になる」。
Googleはすでに、すべての州で反トラスト嫌疑で調査されているにも関わらず、検索結果のデザインを変えた。
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Googleにとって、理由はシンプルだ。同社の広告収入は近年伸びが鈍っているし、中核的ビジネスも精彩を欠いている。数字を上げようとすると、ダークパターン(いかがわしい操作)の誘惑に駆られてしまう。
実際のところGoogleは、初期にも検索サービスのトップになるために同じ手口を使っている。同社が最初に検索サービスを立ち上げたときには、検索結果と広告ははっきり区別されていた。しかし時が経つにつれて、広告とそうでないものとの区別が、ますます曖昧になっていった。
Googleの広告ラベルの変遷と曖昧化
ユーザー体験のエキスパートで監視Webサイトdarkpatterns.orgの創業者であるHarry Brignull(ハリー・ブリグナル)氏は、Google初期の検索結果について次のように語っている。
「検索結果は即座に表示され、それはリンクと要約を集めたページにすぎなかった。何も加える必要がなく、何かを取り去る必要もないという意味で、それは完全なページだった。しかし彼らが導入したバックプロパゲーション・アルゴリズムは、それまでWebをインデクシングするために一度も使われたことがなかった。これによって競合他社は、後方に置いてきぼりにされてしまった。それは、スーツを着た重役たちがいなくても、技術者だけでWebのルールを壊せることの証拠だった。ごみをすべて捨てて、1つのことだけに集中し、それをとびきり上手にやるのだ」。
ブリグナル氏は、さらに「Googleの野望が変わるにつれて、広告を収める色つきボックスが消え始めた。今では、完全になくなっている」と付け加えた。
Googleは最新の発表で、実験がやり過ぎだったことを認め、結果の表示方法については「今後もさらに実験を続ける」と述べている。
今回はユーザーフィードバックを尊重して実験を撤回した、というGoogleの言い訳