Y Combinator出身で、Linuxベースのクラウドオペレーティングシステムを提供するCoreOSが、Andreessen HorowitzとSequoia Capitalから資金を調達した。同社のプロダクトは、分かりやすく言うと、Googleが自社のクラウドインフラを構築し動かすために使っている独自のオペレーティング環境と機能的に相似のものだ。資金の額は公表されていないが、CEOで協同ファウンダのAlex Polviによると、金額は100万ドルと500万ドルのあいだだ。
2010年にCloudkickをRackspaceに売ったPolviによると、今回の資金は同社のオペレーティングシステムの違いとアドバンテージを顧客にアピールするために使っていく。オペレーティングシステム企業を航空会社にたとえると、Red Hatを古いタイプのユナイテッド航空(United Airlines)とすると、CoreOSは新しい格安航空会社サウスウエスト航空(Southwest Airlines)に相当する、という。強力なVCたちからの支援が得られた今後は、プロフェッショナルなサービスを充実し、また使いやすいインタフェイスを提供していきたい、とPolviは言っている。
CoreOSは軽量だが、大規模な展開に向いている。とくに、何千台ものサーバを分散管理する技術に関してはGoogleのChrome OSのやり方(後述)を参考にしている。UbuntuやRed HatやDebianなどが、何年も前に開発され、サーバ数台から成る小規模な展開に向いているのに対し、CoreOSは今日の最大のニーズであるスケーラビリティを重視する。今のようにサーバ環境が複雑大規模になると、それらにちょっとしたパッチを当てることすら、たいへんな作業になる。しかしCoreOSでは、インフラのアップデートが自動的に行われる。それはちょうど、ChromeブラウザやChrome OSのアップデートが、ユーザが知らない間に行われるように。
CoreOSは、Linux用のアプリケーションコンテナDockerを使っている。これは、アプリケーションをクラウドインフラへ展開するためのツールとして、デベロッパたちのあいだで人気が盛り上がっている。Dockerはたとえば、アプリケーションのデータを、クラウドインフラを動かしているOS環境とシンクさせる、といったことを自動的にやってくれる。デベロッパが自分のデスクトップ上でやった仕事の結果が、Dockerによって自動的にシンクされアップデートされるのだ。
“このOSは小さくて軽いから、アドミニストレータが気にすべき要素がとても少ない”、とPolviは言う。“パッチも素早くやってのけるから、アドミンが実際に見るべき部分は最小限だ。通常は、単純に必要なものを展開するだけだ”。
CoreOSはリードオンリーなので、大量のサーバに対して、ポータビリティやアップデートの一貫性を維持できる。
CoreOsが参考にしたモデルは、Googleのオペレーティング環境だ。それは、従来の企業のIT環境とは相等に違っており、いろんな点で合理的かつ効率的だ。しかしRedMonkのアナリストDonnie Berkholzが、LinuxConの会場でぼくにこう言った: 今後CoreOsがぶつかる最大の難関が、企業における従来的な仕事のやり方だ。
PolviもBerkholzの意見に同意しているが、自分の方向性に関して自信を持っている。しかもAndreessenやSequoiaのような高名なVCが味方についたことは、鬼に金棒だ。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))