モバイルアプリとWebアプリケーションをHTMLとJavaScriptで作るためのGoogle製のフレームワークAngular 2が、ベータに入った。
GoogleがAngular 2を最初に発表したのは2014年の9月で、そのときはAngular 1と激しく違うことが論争になった。それから、アルファとデベロッパプレビューを経過した。Angular 2に‘ベータ’のラベルが付いたことは、そろそろ本格的なアプリケーション開発に使える、という意味だろう。Google自身はすでに、AdWordsやGoogle Fiber、社内的なCRMシステムGreenTeaなどのプロジェクトでAngular 2を使っている。
Angular 2は今でもメインの用途はWebアプリケーションの開発だが、しかしNativeScriptとReact Nativeにより、AndroidとiOSのクロスプラットホームなネイティブアプリも作れる。
もうひとつGoogleが力を入れたのが、スピードだ。Googleによると、Webページのアップデートの表示はAngular 1の7倍速い。
本番リリースまでに、まだやるべきことが二つある、とGoogleは言っている。ひとつは、このフレームワークのバイナリサイズを縮小すること。もうひとつは国際化のサポートを改善しアノテーションをサポートすることだ。これらのほかにも、ドキュメンテーションや、起動時およびランタイムのパフォーマンス、Material Designのコンポーネント、などの部分でも今後さらに改良や充実化が行われる。
担当ディレクターのBrad Greenによると、ベータ以前の段階でも小さな変更がいろいろ加えられた。“最近の大きな変化としては、ケバブケースの成分名をキャメルケースに統一し、JavaScriptと同じ名前を使えるようにしたことだ”、と彼は述べる。“また、最近のJavaScriptはいろいろなツールやプロセスを使うので遅くなりがち、ということも学んだ…トランスパイラ(transpiler, ソースコード変換)、ビルドツール、ミニファイヤ(minifier, 圧縮)、継続的インテグレーションのスクリプト、デプロイメント、最小限でもこんだけあるね”。
Greenによると、Angular 2をMicrosoft作のTypeScriptで書くという決定はデベロッパたちに歓迎されたし、今ではAngular 2によるアプリケーションをTypeScriptで書くデベロッパが増えているようだ。“まだES5で仕事を続けたいデベロッパが多いはず、とわれわれは想定した。だからTypeScript派が多いことは、意外だった”。
彼のチームは最近、いろんなツールをコマンドラインから使えるためのAngular CLIというプロジェクトを立ち上げたそうだ。