GoogleのSQLベースのビッグデータ分析サービスBigQueryが今日(米国時間12/15)アップデートされ、ユーザは暴走クェリで費用が発生することを避けやすくなり、また大量のデータを自分たちのデータベースへ直接ストリーミングできるようになった。
またこのアップデートにより、BigQueryの監査ログがベータで導入された。この機能によりITのアドミンたちは、ユーザがこのサービスの上でやってることを把握しやすくなる。
クォータをユーザが設定できるようになったので、クェリが処理するデータ量をプロジェクトのレベルやユーザのレベルで制限できる。設定の単位量は、ユーザレベルでは10TB、プロジェクトレベルでは50TBだ。BigQueryの処理料金は1TBあたり5ドルである。
担当マネージャのTino Tereshkoは今日の声明文の中で次のように述べている: “BigQueryできめ細かい費用管理ができるようになったことは、従来の固定サイズのクラスタに慣れていた方にも歓迎されるだろう。固定サイズの場合は費用も定額であり、スケーリングが難しかった。サイズが固定では負荷の増加と共にパフォーマンスが劣化し、しかも簡単にはスケーリングできない。今回のきめ細かいコストコントロールにより、企業はBigQueryの利用に関しても十分な予算管理ができるようになるだろう”。
同じくコスト管理の面では、今回のアップデートによりBigQueryのユーザは、自分たちのクェリが実際にどのように実行されているのかを、容易に見ることができる。そのために提供されるのがQuery Explainと呼ばれるグラフィカルなツールで、これを使えばパフォーマンスのボトルネックがどこにあるかも、分かるようになる。
そしてStreaming APIも改良され、EUのユーザがEU内のデータセットをロードできるようになった。またストリーミングの待ち時間(“ウォームアップ”)もなくなり、ビッグデータの分析はデータの最初の行がテーブルにストリーミングされた直後からすぐに始まる。これまでのウォームアップは数分を要したが、これからはデータが直ちに可利用になる。
Streaming APIをよく使うユーザのために新たに導入された’テンプレートテーブル‘機能により、INSERTリクエストをストリーミングする場合既存のテーブルをテンプレートに指定できる。
今回のアップデートで、いちばん分かりやすいメリットは、クェリのコスト管理が改善されたことだろう。GoogleはAmazonやMicrosoftに対抗してなるべく多くのエンタプライズユーザを獲得しようと努めているから、そのためにはコスト管理機能がとりわけ重要だ。