Googleのプログラミング言語Dartが、 ついにECMAのスタンダードになり、ECMA-408というキャッチーな〔皮肉!〕お名前をいただいた。ECMAは日常あまり目にしない名前だが、あなたが今これを読んでいるブラウザも、このページの一部をECMAscriptの処理系を使って表示しているのだ。つまりECMAの規格に準拠しているJavaScriptを、公式の場ではECMAscriptと呼ぶ。ECMAは過去に、JSON、C#、Office Open XML形式、CD-ROMの各種仕様などの規格も策定している。
DartのチームとチームリーダーのLars Bak (JavaScriptエンジンV8を作ったデンマーク人のプログラマ、自転車競技の選手ではない)は、彼らの言語がv.1.0をリリースできるまでの安定に達したと確信して、言語の標準化作業をECMAに持ちかけた。数日前にECMAはDart言語の仕様を公式に承認したが、それはDart 1.3がベースで、今日(米国時間7/8)からGoogle+上で共有される。
ECMAの公式規格になったことによって、Dart言語をめぐるより活発なエコシステムが作られることが期待される。仕様が標準化し安定すれば、いろんなところが処理系を作りやすくなり、彼らにとって“動く標的”という不安がなくなる。
Dartの作者たちはこの言語を汎用言語とみなしているが、ライブラリの現状などから見ると、いちばん向いているのはWebアプリケーションの開発だ。ただしまだ、GoogleのChromeですらDartをデフォルトでサポートしていない。Dartを試してみたいデベロッパは、Dartの処理系を載せた特殊なバージョンのChromeを使うか、またはDartをJavaScriptにコンパイルしてから動かすしかない。でもBakの話では、ChromeがDartを標準でサポートするようになるのは、もうすぐのようだ。公式の言語規格にもなった今日からは、そのほかのブラウザのベンダや多くのデベロッパが、Dartにあらためて注目するだろう。
ECMAの規格はバージョン1.0だが、先月のGoogle I/OにおけるBakの話では、次期バージョンには列挙型(enum)や、 deferred loading、それに少なくともベーシックな形でのasyncのサポートが含まれるという。これら新しい拡張言語仕様とそれらをサポートしたDart処理系は、年末までにDartチームが制作する予定だ。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))