Googleは、Chrome OS機の採用を考えている大企業のための新たなエンタープライズサービスをローンチする。そのChrome Enterpriseと呼ばれるサブスクリプション(会員制サービス)は、一機につき年間50ドルで、基本的にはChromebooks for Workの別名のようなものだが、サービスの内容は増えている。名前にChromeがあってもそれはChromeブラウザーのことではなく、あくまでもChrome OSである。エンタープライズのChromeユーザー向けにはすでに、Chrome Enterprise Bundle for ITというものが用意されている。
Chrome OS機のユーザーのためのChrome Enterprise会費制サービスの呼び物は、既存のオンプレミスのMicrosoft Active Directoryのインフラストラクチャと完全互換であることだ。担当ディレクターのRajen Shethによると、この件はChrome OS機を採用しようとする企業にとって長年の障害だった。しかしChrome Enterpriseでは、ユーザーはそれまでの認証情報を使ってChrome OS機にログインでき、自分たちのGoogle Cloudサービスにアクセスできる。そしてITアドミンは、彼らのデバイスとサービスへの、彼らのアクセスを管理できる。
なおChrome OSのアドミンは前からすでに、SAMLスタンダードを使ってChrome OS機へのシングルサインオンを有効にできるサービスなら、有効にできていた。
それに加えて企業はこれからは、彼らがすでに使っている同じエンタープライズモバイル管理ソリューションから、自分たちのChrome OS機を管理できる。まず最初は、VMwareのAirWatchからだ。そのほかの同様のサービスも、今後追い追いサポートされる。
このChrome Enterpriseのライセンスでは、ITアドミンが自分たちのユーザーのための、管理サービス付きのエンタープライズアプリストアをセットアップできる。この機能は目下ベータで、Chrome OSのAndroidアプリを動かせる能力にフォーカスしている。この能力は、多くのエンタープライズが使っているChrome OS機のほとんどで利用できる。
さらに好都合なのは、Chrome Enterpriseの会員になると24/7のエンタープライズサポートや、OSの管理つきアップデート、プリンターの管理などが提供される。プリンターのところで笑った読者もおられるかと思うが、プリンターはいまだに、多くの会社で重要なのだ〔文書やコミュニケーションがデジタル化/ネット化されていない〕。
周知のように今のGoogleは、なりふり構わず多くの企業を自社のクラウドサービスの顧客にしようと努力している。Chromebookはすでに、リテールや教育の分野で、稼げるニッチを見つけている。それをさらに一般的な企業分野に拡大していくためには、たとえば今回のAirWatchとの統合のような機能が、ものすごく必要とされていたのだ。