このKitty Hawk Flyer(上図)は、Googleの始祖Larry Pageが支援している飛行車メーカーKitty Hawkの初期の実機のひとつだ。同社のCEO Sebastian ThrunはかつてGoogleの自動運転車プロジェクトを立ち上げた人物で、このFlyerを年内に実際に発売する気だ。だからこれはもはや、遠い未来に実現する夢のプロジェクト、ではない。
Kitty Hawkはこのテスト飛行をサンフランシスコ近郊の湖で行った、とNew York Timesが報じているが、ご覧のように自動車というよりバイクに似ていて、水上飛行機のようなフロートのついた開放的な設計により、着水が可能だ。同紙によると、この一人乗りの乗り物は回転翼が8つもついていて、エンジンをふかしすぎた競艇用ボートみたいに猛烈にうるさく、湖の美観を損ねてしまうが、でも電気が動力なので環境を汚す要素はない。
この設計は高速性を確保するためでもあり、また現在のFAAの規制では、操縦免許の要らない超軽量機に属する。ただしそのような機は、人があまりいないところでのみ、使用できる。前述のように年内に発売される予定だが、お値段はまだ決まっていない。完成バージョンはもっと静かになり、外見もかなり変わるようだが、基本的な機構は同じだ。
まだ予約注文はできないけど、100ドル払って“Flyer Discovery Member”の会員になると、Kitty Hawk社の今後の製品にいち早くアクセスできる…フライトシミュレーターの体験やデモなどのビデオの視聴ができる。会員は予約受付開始時に‘列の先頭’に置かれるだけでなく、支払いが2000ドルのディスカウントになる。…ということは、価格は6桁(ウン10万ドル)ぐらいか。
この最初の製品はホビイストやレクリエーション利用がターゲットだが、同社の最終目標は都市の交通渋滞の解決策ともなる、一般車両だ。同社の研究開発エンジニアCameron RobertsonとTodd Reichertは、トロント大学在籍時に人力ヘリコプターと超高速自転車で某コンペに入賞した人物だが、彼らもThrunと共に、同社の飛行車が宇宙も地上もどっちも好き、というタイプの人びとに気に入られることを期待している。