Google Cloudで企業が独自の合成音声の作成が可能に

米国時間9月1日、Google(グーグル)は、Contact Center AI製品に対していくつかのアップデート(Google Cloudリリース)を行った。その中で最も興味深いのは、おそらく新しいCustom Voiceサービスのベータ版だろう。

例えば企業には有名な広報担当者がいるかも知れないが、自動応答システムの中で使われる全ての文章を録音することは極めて困難な作業だし、なにか新しい製品や手続きを追加するたびに、担当者をスタジオに呼び出さなければならない。Custom Voiceを使用するためには、まず企業は声優をスタジオへ連れてきて、グーグルが提供するスクリプトを録音させる。その後、同社はそれらの録音を利用し、それに基づいて音声モデルをトレーニングする。

今のところ、グーグル側での手作業を多少要求するようだ。モデルのトレーニングと評価には「数週間」かかると同社は述べており、グーグル自身がトレーニング済みモデルに対するテストを実施してから、モデルを委託元の企業へと送り返す。その後、企業はグーグル独自のテストプロセスに従って結果を評価し、承認を行う必要がある。

現時点では、これらのカスタム音声はまだベータ版であり、いまのところアメリカ英語のみがサポートされている。

また、グーグルのレビュープロセスは、2018年にリリースされた同社内のAI原則(Googleブログ)に、結果が沿っていることの確認を目的としていることにも注意して欲しい。

類似のプロジェクトと同様に、私はコンタクトセンターソリューション用にカスタム音声を作成するこうした長いプロセスが、程なく主流になるのではないかと想像している。一部のブランドにとっては単なるギミックである一方で(スタンドアロンGPSシステムのカスタム音声を覚えているだろうか?)、より先進的なブランドには自社のコンタクトセンターエクスペリエンスを競合他社のエクスペリエンスと区別することを可能にする。カスタマーサポートに電話するのが好きな人はいないが、行き当たりばったりな音声ガイドに話しかけていると思わせないような、より思慮深い体験の提供は、少なくともストレスの一部を軽減することには役立つだろう。

カテゴリー:ネットサービス

タグ:Google

画像クレジット:Fernando Trabanco Fotografía / Getty Images

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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