Google Cloud Runは、 サーバーレスとコンテナを一体化する

最近のアプリケーション開発における2つの大きなトレンドは、サーバーレスとコンテナ化だ。米国時間4月9日に開催されたGoogle Cloud Nextカンファレンスで、Googleはその2つを統合するCloud Runという新製品を発表した。なお同時に発表されたCloud Run for GKEは、GoogleバージョンのKubernetesだ。

サーバーレス製品管理担当ディレクターであるOren Teich氏は、これらの製品は顧客との議論から生まれたと語った。同氏によると、デベロッパーはサーバーレスアーキテクチャーを使うことで得られる柔軟性と敏速性を気に入っているが、コンピューターリソース以上のものも求めている。彼らはありとあらるゆる機能を利用したがっているので、そのために同社はCloud Runを発表した。

「Cloud Runは、Dockerコンテナを利用する全く新しいプロダクトであり、直ちにURLが提供される。これは業界内で全く独自のことだ。われわれは、SSLプロビジョニングとルーティングというトップエンドから、実際にコンテナを実行するところまで、すべて面倒を見る。料金は使う必要のあるものを100ミリ秒単位で払うだけでよく、フルマネージされている」とTeich氏は説明した。

GKEツールも同じようなメリットを提供するが、コンテナをGoolgeのGKE版Kubernetes上で実行しているデベロッパー向けである点が異なる。なお、デベロッパーは自社で選んだどのバージョンのKubernetesでも使うことが可能であり、GoogleバージョンのKubernetesを使うことが前提ではないことに留意されたい。

「これが意味するのは、デベロッパーはそれまでに書いたのとまったく同じコード、まったく同じ体験を利用できるということであり、G Cloudのコマンドライン、同じUI、同じコンソールを使って、ワンクリックで必要なデスティネーションを指定できる」と彼は言った。

これらすべてを可能にしているのは、同社が昨年提供したこれもオープンソースプロジェクトのKnativeだ。「Cloud RunはKnativeがベースであり、オープンなAPIと実行環境のおかげで、ユーザーのサーバーレス作業をフルマネージドのGoogle Cloudプラットフォーム、ユーザーのGKEクラスター、あるいは自身で管理しているKubernetesクラスターなど、好きな場所で実行できる」とTeich氏およびエンジニアリング担当VPのEyal Manor氏がCloud Runを紹介するプログ記事に書いた。

ここまでで気づいた人もいるだろうが、サーバーレスという名称は少々誤解を招く。実際にサーバーがなくなるわけではなく、デベロッパーがサーバーの心配をしなくてよいという意味だ。アプリケーションを特定のバーチャルマシンにロードするかわりに、クラウドプロバイダー(この場合はGoogle)は、ある業務を実行するために必要なリソースを正確なレベルで提供する。実行が終了すると、それらのリソースは解放され、利用者はある時点で使用したものについてのみ支払えばいい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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