11月18日、19日の2日間で開催予定のTechCrunch Tokyo 2014の海外ゲストスピーカーとして、先ほどProduct HuntのRyan Hooverの登壇決定をお知らせしたが、もう1人が正式に決まったのでお知らせしたい。現在、企業向けクラウドストレージを提供していてIPOも噂されるBoxのCTOを務めるSam Schillace氏の登壇だ。
Schillace氏は、今もコードを書くようなバリバリのテクノロジストでありながら、連続起業家としてもシリコンバレーで良く知られた存在だ。後にGoogle Docsとなるプロダクト「Writely」を世に送り出し、それを2006年にGoogleへと売却したスタートアップ「Upstartle」の創業者でCEOという経歴をもつ。2004年にWritelyのプロトタイプと最初のバージョンを作ったのがSchillace氏だ。
Schillace氏のようにテクノロジーバックグランドで大きく成功している起業家は日本では少数派だと思う。Schillace氏は、1991年にPIM(今でいうToDoやカレンダーを兼ね備えたアプリ)を開発するVirteroを創業したのを皮切りに、20年以上ものソフトウェア開発での起業とM&Aによる事業売却を重ねてきた。
1995年には当時Macで人気だったアプリシリーズ「Claris」に対して、後にClaris HomePageとなるホームページ作成ソフトを売却。1996年にはBitcraft社を創業し、CEOとしてサーバサイドJavaScriptエンジンを開発。これをマクロメディアへ売却して、移籍先のマクロメディアではエンタープライズ向け製品を担当していた。しばらくのコンサルタント業などを経て2004年に創業したのがUpstartleだ。Writelyを開発して2年でGoogleへと売却し、GoogleではGoogle Docsだけでなく、GmailやSites、Reader、Blogger、PicasaなどGoogleのプロダクトなどのチームを管轄していたという。また、2011年から2012年にかけては、Google Venturesで投資チームのプリンシパルとしても活躍している。
Ajaxを使ったワープロを2004年に作ったとか、1996年にサーバサイドJavaScriptをやっていたことなど、ちょっと普通じゃない。現在は約140人のエンジニアからなるBoxの開発チームを率いていて、エンタープライズ向けクラウドの未来を構想している。これだけの経験とポジションにいながら、今でもjQueryやiOSのプロジェクトに関わったり、次に手を出すべきプログラミング言語はScalaかCoffeeScriptかというようなテッキーな議論をしたりするそうで、日本にはあまりいないタイプの連続起業家だ。
TechCrunch Tokyoのステージでは、エンジニアとしてのバックグランドを持つ連続起業家という視点から、起業することや、エンタープライズの世界に切り込むこと、そして現在構想しているクラウドの新しい方向性について語っていただく予定だ。
TechCrunch Tokyo 2014まで2カ月弱。まだ海外や国内の豪華ゲストに多数参加いただくことになっているが、詳細は随時お伝えしていく予定だ。参加を検討いただけていた方は、ぜひお早めにチケットをご購入いただければと思う。なお、5枚以上から買える団体チケットや、限定50枚の学割チケットも今なら残っているので是非チェックしてほしい。
おっと、投資家や事業担当者の前でプロダクトをお披露目できる賞金100万円のスタートアップバトルに登壇する企業の応募締め切りは来週の金曜日と迫ってきているので、この週末にでも是非、こちらからお申込みいただければと思う。