これは買収というよりむしろ、古巣への帰還だ。Urban Engines2004年に元Googleの仲良し社員たちが創り、Google VenturesとEric Schmidtに支援された。同社は、都市の交通渋滞に対応して通勤環境を良くすることをねらった。
この前の金曜日(米国時間9/9)に同社は、モバイルの地図の機能性をアップする社名と同名のアプリを立ち上げた。そのアプリの主な特長は、地図まわりの計算処理の高速化、地図への拡張現実(AR)の導入、北米地区主要都市(Boston, Chicago, Los Angeles, New York, Portland, San Francisco, Seattle, Toronto, Vancouver, Washington, D.C.)における地図のオフライン利用、などだ。
Urban Enginesは会社のスローガンとして、物のインターネットならぬ“動く物のインターネット(internet of moving things)”を掲げている。都市の通勤者から集めた情報を分析して、都市の物流ならぬ“人流”をコントロールするのだ。そして今回同社は、そのデータ収集能力とそのためのプラットホームを、Mountain Viewの母艦(Google)に持ち帰る。
ブログに載っている同社の社歴記事によると、その最後の方にGoogle Mapsのチームへの参加が書かれている。“二つの力を合わせて、企業が人の動きをもっとよく理解できるための仕事をしていきたい”、というのが彼らの抱負だ。
彼らの、Googleの中での位置づけについては、まだよく分からないが、彼らがGoogle Mapsに持参するおみやげは大きいだろう。とくに彼らのデータ分析の能力は、Mapsの今後のインフラに貢献するだろう。