Google XのプロジェクトとしてスタートしたLoonとWingがXを卒業し、Googleグループの親会社、Alphabet傘下の独立企業となった。Google Xとムーショット・プログラムのの責任者、Astro Tellerが昨日(米国時間7/11)、Mediumに記事を書いている。
Xのプロジェクトとしてスタートしたときには予想されなかったことだが、 LoonとWingは メンバーの懸命な努力と過酷なフィールテストの繰り返しという長くクレージーな期間を終え、今やXを卒業し、Alphabetグループの独立企業2社となることが決まった。
Loonは2013年、Wingは2014年にそれぞれスタートしている。 当時はで突飛なアイディアの典型的なムーショットと考えられていたが、その後大きな進歩を遂げた。
Loonは多数の無動力の巨大気球の編隊で、辺鄙な地域やインフラが未整備の国でインターネット接続を安価に提供する。たとえば昨年夏にペルーで水害に襲われて通信手段を失った何万人もの人々にインターネットが使えるようにした。秋にはハリケーン・マリアによって大被害を出したプエルトリコでも活躍している。
一方、 Wingは宅配サービスに自動操縦の電動大型ドローンを使おうとするもので、遠隔地への配送の効率化とCO2排出の低減を狙っている。テストではオーストラリアのメキシカン・ファーストフード店、Guzman y Gomezのブリトーを奥地に配達している。この5月にアメリカ運輸省はドローンテクノロジーを一段と進歩させるためのUnmanned Aircraft Systems Integration Pilot Programの10チームの一つとしてWingを選定した。
Tellerは声明でAlastair WestgarthがLoonの初代CEOに、 James Ryan BurgessがWingのCEOにそれぞれ就任する予定だと明らかにした。WingではAdam Woodworth がCTOに就く。
LoonとWingは自動運転のWaymoやサイバーセキュリティー分析プラットフォームのChronicleなどX出身のGoogle企業の仲間入りをする。同時に、SpaceXのインターネット衛星(プロトタイプ段階)やAmazonが以前から宣伝しているドローン配送システムのライバルとなる。
当然、前途には厳しいものがあるはずだが、Alphabetという巨大な後ろ盾を得ていることはこれらの若い企業にとって非常に心強いだろう。
画像:Alphabet
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)