Googleは、今日「Designed For Families」という開発プログラムを発表した。このプログラムでは、開発者はアプリを追加の審査に出して「ファミリー向け」の認定を受けることができる。認定されたアプリはGoogle Playに特集される予定だが、それがどのようにユーザーの目に留まるようになるかといった細かいことはまだ公表されていない。
Googleの説明によると 、彼らのアプリのマーケットプレイスには、PBS Kids、TynkerやCrayolaといった、子供の年齢に適切なコンテンツを提供し、幼い子供達を教育すると同時に楽しませることのできるインターフェイスと機能を実装した品質の高いアプリを提供している企業が複数存在するという。
しかし優れたアプリが、一定の水準に達していないアプリとも一緒にされている現状がある。これでは子供を持つ親にとって、子供が遊んだり使ったりするのに相応しいアプリを見つけるのが難しい。
Googleは認定を受けるためには、「厳しい法とポリシー」を満たさなければならないと言う。そして認定されるには、専用の審査を受ける必要がある。
最近、GoogleはGoogle Playの開発者向けにアプリの新しいレビュープログラムを密かに導入した。今回のプログラムもその流れから実施された。しかし、この新しいアプリのレビュープログラムに多くの人は気づいていない。それは、Googleのアルゴリズムを元にしたスクリーニング検査と人による審査をうまく組み合わせることで、通常数日かかるアプリの承認時間を数時間ほどに短縮していたからだ。
「Designed For Families」の認定審査は、通常の審査より時間がかかるかもしれない。認定を受けたい場合、アプリ開発者はGoogle Playデベロッパー コンソールから開発したアプリやゲームを提出する。それを受け、Googleはそのアプリが新しいガイドラインに準拠しているかを確認する。通常のGoogle Play デベロッパーコンテンツ ポリシーとGoogle Play デベロッパー販売 / 配布契約書に準拠しているかも同時に審査される。
適格となるための基準と、ポリシーのガイドラインは、Googleの社内で作られたものではあるが、広告ターゲティングとデータ収集に関連した業界で最も用いられているものを採用し、他のガイドラインもパートナーと緊密に協力して作成したものだ。例えば、アプリは必ず通称COPPA (児童オンラインプライバシー保護法)や他の子供のプライバシー規制を必ず守らなければならない。
更に、アプリはコンテンツの基準となるESRBレーティングの「EVERYONE (だれでも)」「EVERYONE 10+ (10才以上)」あるいは、その地域における同様の基準を満たすことを要件としている。最近Googleは、このコンテンツのレーティングシステムを導入したばかりだ。
品質の高い子供向けアプリをその他大勢のアプリと分けるこのプログラムは、競合AppleのApp Storeにあった「Kid’s」セクション と似ている。Appleもプライバシー基準や広告関連のガイドラインを満たしたアプリのみをそこに掲載していた。アプリ内でのユーザーの動きを感知して広告を表示させるといった行動ターゲティング広告は、App Store同様、Googleでも禁止される。アプリに許されるのは、ページごとに一つの広告のみで、その広告もアプリのコンテンツから明確に区別しなければならない。興味や関心に基づく広告やリマーケティングも禁止だ。
Googleはプログラムの準備が整い、推奨できる「ファミリー向け」のアプリが出てきたら、それらをGoogle Playのユーザーに押し出す予定だ。Googleは、いつ、どのようにそれを行うかは開示していないが、「数週間内には」としている。予想としては、「ファミリー向け」の新しいカテゴリーかセクションを作って、そこからアプリを探したり、ダウンロードしたりできるようにすると考えられる。これは理にかなっている方法だ。GoogleがAndriodのペアレンタルコントロールに、認定されたアプリしか子供にダウンロードさせないという設定を作ることもできるだろう。
アプリが認定を受けてからルールを破った場合は、Google Playから完全に排除されるそうだ。おとり広告販売を画策するグレーな企業に対し、制裁を加えることで、プログラムに侵入するのを防ぐ計画だ。
Googleはモバイルアプリのエコシステムが成熟するに従い、マーケットプレイスにも変更を加えてきた。その多くは、Appleと同じ道筋を辿っているように見える。これまでを振りかえると、アプリの新しいレビュープロセスの導入、コンテンツのレーティングの追加、そして今回のファミリーとキッズ向けアプリの特集と進んできた。Googleの利点、(見方によっては弱点)は、今まで人がアプリを一つずつ見てレビューを行い、選び取るというレビューのプロセスの一部を自動化したことだ。
自動化により、Googleがこの新しいプログラムをスケールさせるのに有利に働くだろう。
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