GraphQLの開発を単純化するHasuraが約10億円調達

デベロッパーがオープンソースのGraphQLツールを使ってデータベースへの接続をしようとするときに遭遇する問題の、解決方法を提供するHasuraが、シリーズAのラウンドで990万ドル(約10億円)を調達した。

Vertex Ventures USがこのラウンドをリードし、SAP.iO Fundと既存の投資家Nexus Venture PartnersおよびStrive VCが参加した。多くのエンジェル投資家も参加している。これで同社の調達総額はおよそ1150万ドル(約12億6700万円)になる。

GraphQLは、最初は2012年にFacebookで開発され、数年後にオープンソースになった。HasuraのCEOで創業者のTanmai Gopal(タンマイ・ゴパル)氏によると、同社はこれまでKubernetesを使用する開発を単純化するサービスをデベロッパーに提供していたが、その後、データアクセスのほうが大きな問題だと気づいた。そこでその問題を解決するために、GraphQLで使えるオープンソースのツールを開発した。

ゴパル氏はTechCrunchに「アプリケーションのデベロッパーは多くの場合、データベースのデータにアクセスする必要がある。Hasuraはデベロッパーに代わって、データベースを見つけ、多少の構成をセットアップし、それから高性能で安全なGraphQL APIを生成する」とコメントした。

その結果は一種のDaaS(Data as a Service)のAPIのようなかたちになり、GraphQLのユーザーの大きな問題を解決する。それは主にバックエンドのデベロッパーの問題だが、彼らはそれまで、長時間を費やして、GraphQLを使うフロントエンドのデベロッパーのために手作業でアプリケーションをデータソースに接続していた。しかしこのDaaS APIを呼び出す場合は、フロントエンドのデベロッパーがほんの数行のコードをアプリケーションに挿入するだけでデータベースへ簡単に接続できる。

Hasuraはこれまで、2900万回以上ダウンロードされており、人気が高い。同社は今回得られた資金でエンタープライズバージョンを作りたいと言う。そのバージョンは現在すでにテスト中で、間もなくリリースできる。現在、このサンフランシスコの企業には社員が40名が在籍している。この数字も、新たに得た資金で増えるだろう。同社はツールの能力アップを望んでおり、またサポートするデータベースのタイプも増やしたいと考えている。

関連記事:KubernetesのデベロッパーソリューションでHasuraが160万ドルのシード資金を調達(未訳)

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。