AI契約書レビュー「AI-CON」や法人登記支援サービスの「AI-CON 登記」を提供するGVA TECHは11月15日、TechCrunch Japanが運営するイベントTechCrunch Tokyo 2019にてエンタープライズ向け“⾃社専⽤”のAI契約法務サービス「AI-CON Pro」β版のリリースを発表した。同社は9月2日、同サービスのα版を発表していた。
従来のAI-CONはスタートアップや中小企業向け、そしてGVA TECHはAI-CON Proはエンタープライズ向け。今後のGVA TECHは幅広い規模の企業の「法務格差を解消すること」を目指す。
GVA TECHはTechCrunch Tokyo 2018にて開催されたピッチバトル、スタートアップバトルのファイナリストだ。同社の代表取締役、山本俊氏が当時のピッチで紹介したのはAI-CON。そして山本氏は今年、AI-CON Proと共に再び壇上に登り「プロダクトアップデート」を発表した。
山本氏は「AI-CONを提供する中で、様々な企業の法務の課題が見えてきた。それらを解決ために作った」と、AI-CON Pro開発に至った経緯を説明。
山本氏いわく、AI-CON Proの最大の特徴は“カスタマイズ性”。大手企業からの問い合わせでは「自社の基準を反映させたいという要望が非常に多かった」ため、AI-CON Proは「企業が使用している契約書のひな型や法務基準」を利用し、それぞれの環境に則した契約書レビュー支援を行うサービスとなっている。
機能としては、自社のひな型と比較し不足している項目をAIが見つける「不足項目」機能、事前にセットした削除するべき項目をAIが見つけアラートを出す「削除項目」機能、ボタンをクリックすると事前にセットしたひな型と同様の項目が書いてある条文を見つけカーソルを当てることができる「フォーカス」機能、法務担当者の法務知識をセットアップし法務部員間で知識を共有することができる「解説」機能を備えている。
AI-CON Proは現在、ウイングアーク1stがβ版を本導入しており、セガサミーホールディングス、東急不動産、そしてDBJキャピタルがβ版をトライアル導入している。
ウイングアーク1stが「企業の法務業務、とりわけ契約関連業務におけるノウハウ共有、属人化および効率化は喫緊の課題」、東急不動産が「働き方改革の取り組みが進む昨今、専門的なスキルが必要とされる法務業務の属人化は大きな課題の一つ」と言及するなど、寄せられたコメントには“属人化”というキーワードが目立つ。
山本氏いわく、今後AI-CON Proは英文や中文へ対応し、事業部が契約書のレビューをできるようになっていく。また、デロイトトーマツ ファイナンシャルアドバイザリーも同サービスをβ版トライアル導入する予定だ。