HTCが最新スマートフォンを発表した。5.9インチ大画面のフラグシップ機HTC Oneの姉妹機だ。新しいHTC One Maxは、6インチ近い画面を持ち立派にファブレット(phone + tablet)の領域に入るが、すっきりとしたアルミニウムのケースデザインは、同社の小型機種やどこか危っかしいUltrapixelカメラを継承している。1080ピクセル349ppiの画面は魅力的で、裏面につけられた指紋センサーにはちょっと面白いしくみが秘められている。
HTCの指紋センサーは、最大3種類の指紋を登録可能で、アンロックやホーム画面に戻ることなく3種類のアプリを起動できる。これはAppleのiPhone 5sが、内蔵指紋センサーをパスコードおよびiTunes、App Storeの購入承認の代わりに使用しているのとは一味違う。
One Maxの指紋センサーは端末のアンロックにも使用でき、端末裏面のカメラレンズのすぐ下に位置している。これは、LG G2の裏面にあったスリープボタンやボリュームスイッチでの私の経験から判断するに、少々不便な配置に思えるが、画面がほぼ全面を占めホームボタンもないことを考える、他に殆ど場所はないのだろう。
もう一つ、HTC One Maxで重要な改善は、メモリー拡張だ ― 内蔵16GBまたは32GBに加え、リアカバーを外せばmicro SDカードで最大64GB追加できる。これは大きな利点だ。他のスペックは1.7GHzクアッドコアSnapdragon 600プロセッサー(Oneと同じ)や赤外線送受信機など。ヨーロッパとアジアでは10月に発売され、米国にはその少し後、おそらく11月初めにはやってくるだろう。
HTCのスマートフォン販売戦略は、中心にOneを据え、それに一ひねりを加えて様々な消費者の要望に答えようとするものだ。One Maxは大画面体験をそのままに指紋センサーを加え、ただしカメラは光学手ぶれ防止が省かれ少々グレードダウンされている。メモリー拡張は興味深い変更であり、以前のモデルに対する利用者からのフィードバックに答えたものかもしれない。しかし総合的に見て、このOne Maxで、HTCの昨今の不運を逆転するのは難しいだろうと私は感じている。
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(翻訳:Nob Takahashi)