IBMは10月に、同社のレガシーであるインフラ管理ビジネスをスピンアウトする計画を発表し、ハイブリッドクラウドに総賭けすることになってから、すごく忙しくなった。今日(米国時間12/21)はその忙しさに輪をかけて、ヘルシンキのマルチクラウドコンサルティング企業Nordcloudを買収した。買収の価額は公表されていない。
IBMはすでに500社の公認コンサルタントをAWSとAzureとGoogle Cloud Platformに揃えており、Nordcloudもその一環だ。これによって同社は顧客をこれまでのIBM中心のソリューションから、各社に合ったクラウド戦略へ移行させていく。Nordcloudもそのための、教育訓練の行き届いたエキスパートスタッフの一員になる。
このようなハイブリッド方式は、2019年に同社が340億ドルを投じたRed Hatの買収にさかのぼる。それがまさに、このアプローチへの進路を決定した。先月のインタビューでCEOのArvind Krishna氏は、CNBCのJon Fortt氏にそう語っている。Krishna氏は今、彼の会社の全面的な変身努力の渦中にいて、今回のような買収がそのプロセスをスピードアップする、と考えている:
Red Hatの買収は私たちに、その上にオープンソースをベースとするハイブリッドクラウド技術を構築するための技術基盤を与えた。しかもそれは、顧客がこの船出に乗り出すときにさまざまな選択ができることが、ベースになる。その買収の成功が今の私たちに火をつけ、次の大きなステップに進むことができるようになり、マネージドインフラストラクチャサービスを外すことができる。そして会社に今後残るものは、ハイブリッドクラウドと人工知能への完全なフォーカスだけだ。
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IBM Global Business ServicesのCOOでクラウドアプリケーションイノベーション担当上級副社長、John Granger氏によると、IBMの顧客は最近ますます、複数のベンダーとオンプレミスの全域にまたがるリソースの管理でヘルプを求めている。
Granger氏は、声明でこう述べている: 「Nordcloudの買収で、私たちのクライアントのデジタルトランスフォーメーションを駆動し、IBMのハイブリッドクラウドプラットホームのさらに幅広い採用をサポートする、深い専門家技能を得られる。Nordcloudのクラウドネイティブツールと方法論の体系と人材が強い信号を送出し、IBMはそれを、クライアントのクラウドへの旅路の成功のためにお届けする」。
買収は当局の承認を得て、来年の四半期に完了する予定だが、NordcloudはIBM傘下の企業になり、IBMのハイブリッドクラウド戦略の継続を支援する。
なお、この買収の前には、いくつかの小さな契約が実現している。たとえば先週はExpertusを買収、そして先月はTruquaとInstanaを買収している。これら三社は、デジタル決済とSAPコンサルティング、およびハイブリッドクラウドのアプリケーションのパフォーマンスモニタリングを、それぞれ提供する。
Nordcloudはヘルシンキに本社があり、アムステルダムにもオフィスがある。 PitchBookのデータによると、同社は2011年創業で、これまで2600万ドルあまりを調達している。
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